研究課題/領域番号 |
22241040
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
橘 秀樹 千葉工業大学, 附属総合研究所, 教授 (80013225)
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研究分担者 |
木幡 稔 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (30186720)
柳川 博文 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (70296309)
矢野 博夫 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (70114692)
佐藤 史明 千葉工業大学, 工学部, 教授 (50286150)
飯田 一博 千葉工業大学, 工学部, 教授 (60458627)
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キーワード | 音声強調 / サイン音 / 指向性 / 防災放送 / 発話速度 / 明瞭度 / 残響 / 環境騒音 |
研究概要 |
平成22年度は、以下の5つの分担課題を設けて相互に連携を取りながら研究を進めた。 1.音声合成:残響のある公共空間で合成音声を放送する際の明瞭度向上を目的として、音声符号化用適応フィルタを用いた音声強調方式を提案し、未処理の音声と比較して明瞭度が向上することを確認した。 2.サイン音設計:残響下での避難誘導に有効なサイン音を設計するため、各種空間で使用されているサイン音を収集分析し、警告を意図したサイン音は調波関係にある複数の周波数で構成されること、周波数を上昇スイープさせていることなどの音響的特徴を見出した。また、信号の無音区間と波形オンセットの鋭さが残響下の音像定位に寄与することを明らかにした。 3.電気音響システム:トンネル内の避難誘導システムにおけるスピーカの鋭指向性化を目的として、自由音場および反射音場における指向性の数値計算および実測を行い、スピーカのホーン形状や配列方法を検討した。さらに、24個の小口径ユニットからなるスピーカアレイを試作し、指向性と主軸の方向制御について検討を進めた。 4.音環境・伝搬系:大食堂、体育館、集会室などにおいて、6チャンネル方式、実頭バイノーラル方式、ダミーヘッド方式を用いて音響特性を計測した。また、交差点において環境騒音とサイン音の音響計測を実施した。さらに、防災放送等の明瞭性改善を目的として、屋外音場のシミュレーション手法について検討を進めた。 5.聴覚・認識:非常放送に使用する文章について音響心理実験を行い、わかりやすい非常放送文は単語の親密度よりも単語間の連想関係が重要であることを明らかにした。また、重要な単語の発話速度を1.2倍程度遅くすることが理解度向上に有用であること、さらに、スピーカの方向を予め知っていることにより、騒音下の単語明瞭度が向上することを明らかにした。
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