公共空間における安全確保のための音響情報伝達に関する研究

2012 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 22241040
• 研究機関: 千葉工業大学
• 研究代表者: 橘 秀樹 千葉工業大学, 附属総合研究所, 教授 (80013225)
• 研究分担者: 木幡 稔 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (30186720) ; 大川 茂樹 千葉工業大学, 工学部, 教授 (40306395) ; 佐藤 史明 千葉工業大学, 工学部, 教授 (50286150) ; 世木 秀明 千葉工業大学, 情報科学部, 准教授 (60226636) ; 須田 宇宙 千葉工業大学, 情報科学部, 准教授 (60296324) ; 飯田 一博 千葉工業大学, 工学部, 教授 (60458627) ; 矢野 博夫 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (70114692) ; 柳川 博文 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (70296309) ; 山崎 治 千葉工業大学, 情報科学部, 准教授 (90337709)
• 研究期間 (年度): 2010-04-01 – 2013-03-31
• キーワード: 音声強調 / サイン音 / 指向性 / 防災放送 / 発話速度 / 明瞭度 / 残響 / 環境騒音

研究概要

平成24年度についても、以下に示す５つの分担課題について相互に連携をとりながら研究を進めた。1.音声合成：昨年度に特許出願した制御法を用い、合成音声のポーズ長を最適化する方法を実装評価し、アナウンス音声が最も聞き取りやすい条件を求めた。また、話速やスペクトル加工がアナウンスの明瞭度へ与える影響について評価し、明瞭度が改善可能な条件についての知見を得た。2.サイン音設計：避難誘導のためのサイン音について現況調査し、その結果に基づいた評価実験の結果、適切な無音区間の設定、波形の立ち上がりの鋭さ、高域のパワースペクトル強調等により、明瞭な音像が知覚可能となり、その音の方向に避難容易であることを明らかにした。また、下降２連短音が避難誘導音らしく感じられることも分かった。3.電気音響システム：アレイスピーカを試作評価した結果、小型ブックシェルフタイプと比較し、アレイスピーカの方が聞き取りやすいことを明らかにした。またスピーカの周波数特性については、低域の除去による効果を確認した。4.音環境･伝搬系：各種収音システムを用い、案内放送の実態調査やインパルス応答計測を行い、聞き取りにくさに関する聴感実験を実施した。また屋外防災放送の検討として、屋外音場の幾何音響シミュレーション手法による予測、頭部伝達関数の個人適応によるシミュレーションの高精度化、屋外音場のインパルス応答測定、幾何音響シミュレーションと6ch.3次元音場シミュレーションによる可聴化の検討を行った。5.聴覚･認識：騒音環境下における単語明瞭度や非常放送文の理解に関する音響心理実験を行った結果、音声の到来方向の知識等が単語明瞭度を向上させること、非常放送文の文構造や話速やポーズ長が文の理解に影響を与えることを示した。また、視聴覚相互作用の影響について、視覚情報と聴覚情報の一致･不一致による相互作用の影響を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)

理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] 横断面に配置した2スピーカによる3次元音像制御 (2012)
  • 著者名/発表者名: 飯田一博
  • 雑誌名: 日本音響学会誌 巻: 68 ページ: 331-342
  • 査読あり
• [学会発表] Public space acoustics for information and safety (2013)
  • 著者名/発表者名: Hideki Tachibana
  • 学会等名: The 21st International Congress on Acoustics
  • 発表場所: Montreal, Canada
  • 年月日: 20130602-20130607
  • 招待講演
• [学会発表] Subjective experiment on suitable speech-rate of public address announcement in public spaces (2013)
  • 著者名/発表者名: Sakae Yokoyama, Hideki Tachibana
  • 学会等名: The 21st International Congress on Acoustics
  • 発表場所: Montreal, Canada
  • 年月日: 20130602-20130607
• [学会発表] Auralization of municipal public address announcements by applying geometrical sound simulation and multi-channel reproduction techniques (2013)
  • 著者名/発表者名: Fumiaki Satoh, Sakae Yokoyama, Hideki Tachibana
  • 学会等名: The 21st International Congress on Acoustics
  • 発表場所: Montreal, Canada
  • 年月日: 20130602-20130607
• [学会発表] Impulse response measurement in public space using musical signal including Swept-Sine signals (2013)
  • 著者名/発表者名: Fumiaki Satoh, Hideki Tachibana
  • 学会等名: The 21st International Congress on Acoustics
  • 発表場所: Montreal, Canada
  • 年月日: 20130602-20130607
• [学会発表] Estimation of spectral notch frequencies of the individual head-related transfer function from anthropometry of listener's pinna (2013)
  • 著者名/発表者名: Kazuhiro Iida
  • 学会等名: The 21st International Congress on Acoustics
  • 発表場所: Montreal, Canada
  • 年月日: 20130602-20130607
• [学会発表] 公共空間における拡声放送のスピーチレートに関する評価実験 (2013)
  • 著者名/発表者名: 横山 栄，橘 秀樹
  • 学会等名: 日本音響学会春季研究発表会
  • 発表場所: 東京都，東京工科大学
  • 年月日: 20130313-20130315
• [学会発表] 幾何音響シミュレーションと6チャンネル再生システムを用いた防災行政アナウンスの可聴化 (2013)
  • 著者名/発表者名: 佐藤史明、横山栄、橘秀樹
  • 学会等名: 日本音響学会春季研究発表会
  • 発表場所: 東京都，東京工科大学
  • 年月日: 20130313-20130315
• [学会発表] 受聴者の耳介形状による頭部伝達関数のスペクトラルノッチ周波数の推定 (2013)
  • 著者名/発表者名: 飯田一博
  • 学会等名: 日本音響学会春季研究発表会
  • 発表場所: 東京都，東京工科大学
  • 年月日: 20130313-20130315
• [学会発表] 音声合成用素片を用いた秘話通信方式 (2013)
  • 著者名/発表者名: 木幡稔
  • 学会等名: 日本音響学会春季研究発表会
  • 発表場所: 東京都，東京工科大学
  • 年月日: 20130313-20130315
• [学会発表] 残響下において聞き取りやすい音声合成法に関する検討 (2013)
  • 著者名/発表者名: 木幡稔
  • 学会等名: 日本音響学会春季研究発表会
  • 発表場所: 東京都，東京工科大学
  • 年月日: 20130313-20130315
• [学会発表] スマートデバイスの普及に伴うシミュレータ教材の再構築について (2013)
  • 著者名/発表者名: 須田宇宙
  • 学会等名: 日本音響学会春季研究発表会
  • 発表場所: 東京都，東京工科大学
  • 年月日: 20130313-20130315
• [学会発表] 耳介モデルの窪みの幅が伝達関数に及ぼす影響 (2012)
  • 著者名/発表者名: 飯田一博
  • 学会等名: 日本音響学会秋季研究発表会
  • 発表場所: 長野県，信州大学
  • 年月日: 20120919-20120921
• [学会発表] 正中面のスペクトラルノッチと耳介形状の個人差に関する考察 －定量的個人差情報を備えた頭部伝達関数データベースの構築－ (2012)
  • 著者名/発表者名: 飯田一博
  • 学会等名: 日本音響学会秋季研究発表会
  • 発表場所: 長野県，信州大学
  • 年月日: 20120919-20120921
• [学会発表] トンネルを想定した残響下における拡声方法の検討 (2012)
  • 著者名/発表者名: 柳川博文
  • 学会等名: 日本音響学会秋季研究発表会
  • 発表場所: 長野県，信州大学
  • 年月日: 20120919-20120921
• [学会発表] 残響下において音像を知覚し易い避難誘導信号音の特性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 柳川博文
  • 学会等名: 日本音響学会秋季研究発表会
  • 発表場所: 長野県，信州大学
  • 年月日: 20120919-20120921
• [学会発表] 狭帯域ICTD・ICLDによるスピーカ再生音場の両耳間相関係数の制御 (2012)
  • 著者名/発表者名: 柳川博文
  • 学会等名: 日本音響学会秋季研究発表会
  • 発表場所: 長野県，信州大学
  • 年月日: 20120919-20120921
• [学会発表] Kinectを用いた主観評価実験における被験者の状況把握の一検討 (2012)
  • 著者名/発表者名: 柳川博文
  • 学会等名: 日本音響学会秋季研究発表会
  • 発表場所: 長野県，信州大学
  • 年月日: 20120919-20120921
• [学会発表] 残響下において聞き取りやすい音声合成法に関する検討 (2012)
  • 著者名/発表者名: 木幡稔
  • 学会等名: 日本音響学会秋季研究発表会
  • 発表場所: 長野県，信州大学
  • 年月日: 20120919-20120921
• [学会発表] HTML5ベースの音響教育シミュレータの開発 (2012)
  • 著者名/発表者名: 須田宇宙
  • 学会等名: 日本音響学会秋季研究発表会
  • 発表場所: 長野県，信州大学
  • 年月日: 20120919-20120921
• [学会発表] Subjective tests on listening difficulty of public address announcement in public spaces (2012)
  • 著者名/発表者名: Sakae Yokoyama, Hideki Tachibana
  • 学会等名: Inter-noise 2012
  • 発表場所: New York, USA
  • 年月日: 20120819-20120822
• [学会発表] Measurement of outdoor sound propagation characteristics of municipal public address system using Cross-Spectrum (2012)
  • 著者名/発表者名: Fumiaki Satoh, Hideki Tachibana
  • 学会等名: Inter-noise 2012
  • 発表場所: New York, USA
  • 年月日: 20120819-20120822
• [学会発表] Comparison of transfer functions between the actual pinna and the simple pinna model, which is composed of a rectangular plate and three rectangular cavities (2012)
  • 著者名/発表者名: Kazuhiro Iida
  • 学会等名: THE ACOUSTICS 2012 HONG KONG
  • 発表場所: HONG KONG
  • 年月日: 20120513-20120518
• [学会発表] 公共空間における拡声放送の了解性に関する評価実験 （スピーチレートの影響）
  • 著者名/発表者名: 横山 栄，橘 秀樹
  • 学会等名: 日本音響学会建築音響研究会
  • 発表場所: 静岡県浜松市
• [学会発表] 音声合成用素片を用いた秘話通信方式
  • 著者名/発表者名: 木幡稔
  • 学会等名: 信学技報
  • 発表場所: 宮城県，東北大学
• [産業財産権] 角度伝達装置 (2012)
  • 発明者名: 木幡稔
  • 権利者名: 千葉工業大学
  • 産業財産権種類: 特許
  • 産業財産権番号: 特願2012-266669
  • 出願年月日: 2012-12-05