研究分担者 |
木幡 行宏 室蘭工業大学, 工学研究科, 教授 (90215301)
石川 達也 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (60359479)
齋藤 雅彦 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環・重点研究部, 助教 (40283915)
川口 貴之 北見工業大学, 社会環境工学科, 准教授 (20310964)
中村 努 苫小牧工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (80280311)
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研究概要 |
本研究は、工業製品であるジオシンセティックス排水材を活用して豪雨時の盛土災害を軽減するための新たな工法の研究開発を目指している。1年目には、室内実験および数値解析を行い、各種盛土材料の透水・変形・強度特性の解明ならびにジオシンセティックス排水材の開発のための基礎的なデータを得た。当該年度(2年目)では,1年目の実験の延長線上の研究として,製鋼スラグ材料の工学的特性を明らかにした.鉄鋼スラグは,締固め特性および透水性に優れ,工学材料とりわけ盛土材料として極めて優れていることが分かった.施工性にも優れ,大型重機を使用せずとも手動により十分な締固め度が得られ,一般の土質材料よりもはるかに高い強度が得られることも判明した,ただし,物性としてはアルカリ漫出水が環境に与える影響は決して無視できないことも指摘したい.そこで,大型土槽を用いて,盛土防水工の有用性を確認するため,一連の検証実験を実施した.ジオシンセテティクス排水材を用いた盛土防水工は,長期に亘り,盛土内への浸透水を防ぐために安価で有効な工法であることが確認できた.また数値解析により,浸透水および盛土の変形挙動をシミュレーションし,排水材の効果的な設置のための2次元の設計式も提案した.この盛土防止工を併用することにより,鉄鋼スラグ等のリサイクル材料を用いてもアルカリ浸出水が周辺環境に与える影響を回避できることが分かった.このように.実験室レベルでは盛土防水工の工学的有用性が確認できた、来年度(最終年度)は、3次元の数値解析を実施するとともに,現場実験により,当該工法の実用化に向けた実証実験を実施する予定である.
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