研究課題
(1)筋ジストロフィーの原因遺伝子であるシントロフィンのショウジョウバエ相同遺伝子syn1、syn2の二重変異体では生存率、運動量が顕著に低下した。この神経筋接合部にはシナプス末端の異常伸長が見られ、運動量低下の一因と考えられた。また化合物ライブリー(1300種類)から同変異体の生存率を回復させる化合物を探索し、その候補を複数得た。(2)ヘム分解の律速酵素であるHemeoxygenase(HO)を複眼原基特異的にノックダウンさせると成虫複眼に形成異常がみられるが、この表現型を増強させる遺伝子として遺伝子修復チェックポイントキナーゼATMをみいだした。ATM発現の低下により細胞死が亢進した。またヒト培養細胞でもHOノックダウンによりATM-p53が活性化し、細胞ストレスが顕著に表れた。(3)NADPHオキシダーゼであるヒトhDuox2を複眼原基で強制発現すると活性酸素が過剰産生され、成虫複眼に顕著な形態異常が表れた。マウスのメタボリック症候群を抑制する桑葉を幼虫に摂食させた結果、この表現型が抑制された。同系統はNADPHオキシダーゼを標的とする抗メタボリック症候群薬のスクリーニングに有用である。Quercetin-3-O-D-glucosideなど3種類の配糖体がこの表現型を顕著に抑制した。本結果は哺乳類の報告と一致した。(4)ショウジョウバエ精子形成過程において、インスリンは生殖幹細胞の細胞周期進行(G2/M期)と精母細胞の成長を促す。後者にインスリン受容体InRと下流のIRS、PI3K、Akt経路ならびにRas85D経路の両方が必要なことがわかった。一方、FOXO転写因子は前者にのみ関与が認めらた。2型糖尿病モデルであるInR変異体の表現型を回復させる化合物のスクリーニングを行い、候補を得た。昆虫システムがヒト疾患の発症機構解析と治療薬探索に有効なことを示すことができた。
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