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2012 年度 実績報告書

海洋島における外来生物の駆除が生態系の物質循環に与えるインパクト

研究課題

研究課題/領域番号 22241055
研究機関首都大学東京

研究代表者

可知 直毅  首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (30124340)

研究分担者 平舘 俊太郎  独立行政法人農業環境技術研究所, 生物多様性研究領域, 上席研究員 (60354099)
川上 和人  独立行政法人森林総合研究所, 野生動物研究領域, 主任研究員 (50353652)
吉田 勝彦  独立行政法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 主任研究員 (70332244)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード小笠原諸島 / 土壌 / 海鳥 / リン / ノヤギ / シミュレーション
研究概要

外来生物駆除が生態系の物質循環に及ぼす影響を評価するために、土壌特性と植物との関係、海鳥の営巣の影響、外来生物駆除後の生態系変化を定量的に評価した。また、シミュレーションによって外来生物駆除後の将来の予測を行なった。
小笠原諸島にて採取した植物体試料に含まれる元素(炭素、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)の含量を定量分析した。また、小 笠原諸島にて採取した土壌試料の全炭素含量、全窒素含量、pH、電気伝導度、置換酸度、有効態リン酸、水抽出態イオン濃度を分析した。その結果、 小笠原諸島では土壌環境に応じて植物種が分している様子が明らかとなった。
海鳥による踏圧が植生に与える物理的影響を明らかにするため、繁殖地内に設置した海鳥排除区と対照区を比較した。その結果、オナガミズナギドリおよびカツオドリは、植物バイオマスを低下させる効果があった。また、繁殖地の土壌を種間比較したところ、両種では多量の有効態リン酸が付加されていることが明らかになった。
ヤギ駆除後の草地生態系において、植生の地上部バイオマス、土壌の化学的特性、生物的・非生物的環境要因との関係を、間接手効果も含めて明らかにした。その結果、ヤギ駆除前の植生の退行の有無が、土壌の酸性化を介して地上部バイオマスを制限している可能性が示唆された。また、海鳥の営巣が土壌栄養塩量を増加し、この増加は地形に依存して変化する可能性が示唆された。
昨年度までに作成したモデルを基盤とし、構成種を入れ替えることによって、小笠原諸島の複数の島(東島、西島、媒島)の植生比(森林、草原、裸地の比)を再現することに成功した。外来ヤギとネズミの駆除シミュレーションの結果、特に媒島でその影響が大きく、全島森林化するか全島草原化するか、どちらか両極端の結果になりやすいことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2112 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (11件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Seabirds as adhesive seed dispersers of alien and native plants in the oceanic Ogasawara Islands, Japan2112

    • 著者名/発表者名
      Aoyama, Y.
    • 雑誌名

      Biodiversity and Conservation

      巻: 21 ページ: 2787-2801

    • DOI

      DOI 10.1007/s10531-012-0336-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Leaf litter of the invasive Casuarina equisetifolia decomposes at the same rate as that of native woody species on oceanic islands but releases more nitrogen2012

    • 著者名/発表者名
      Hata, K., Kato, H. & Kachi, N.
    • 雑誌名

      Weed Research

      巻: 52 ページ: 542-550

    • DOI

      DOI:10.1111/j.1365-3180.2012.00945.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bryan's Shearwaters have survived on the Bonin Islands, Northwestern Pacific2012

    • 著者名/発表者名
      Kawakami, K.
    • 雑誌名

      Condor

      巻: 114 ページ: 507-512

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Potential role of frugivorous birds in the recovery process of forest vegetation after feral goat eradication in Mukojima Island, the Bonin Islands2012

    • 著者名/発表者名
      Emura, N.
    • 雑誌名

      Journal of Forest Research

      巻: 17 ページ: 352-359

    • DOI

      DOI 10.1007/s10310-011-0300-7

    • 査読あり
  • [学会発表] 海洋島における外来木本種の駆除は、土壌水分量を増加させる2013

    • 著者名/発表者名
      畑 憲治
    • 学会等名
      第124回日本森林学会大会
    • 発表場所
      岩手
    • 年月日
      20130325-20130328
  • [学会発表] 小笠原諸島媒島におけるノヤギ駆除前後の土地被覆変遷パターン2013

    • 著者名/発表者名
      郡 麻里
    • 学会等名
      日本生態学会第60回大会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      20130305-21130309
  • [学会発表] ヤギ駆除後の海洋島において、海鳥の営巣型による土壌の違いが植物の成長に及ぼす影響2013

    • 著者名/発表者名
      高岡 愛
    • 学会等名
      日本生態学会第60回大会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      20130305-20130309
  • [学会発表] 海洋島における外来生物駆除のインパクト:なぜ物質循環なのか2013

    • 著者名/発表者名
      可知直毅
    • 学会等名
      日本生態学会第60回大会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      20130305-20130309
  • [学会発表] 外来ほ乳類駆除後の草地生態系の変化:野外データによる解析2013

    • 著者名/発表者名
      畑 憲治
    • 学会等名
      日本生態学会第60回大会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      20130305-20130309
  • [学会発表] 外来生物駆除後の生態系の変化:コンピュータシミュレーションによる解析2013

    • 著者名/発表者名
      吉田勝彦
    • 学会等名
      日本生態学会第60回大会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      20130305-20130309
  • [学会発表] 外来ほ乳類の駆除は島の植生に何をもたらすか:海鳥を介した影響2013

    • 著者名/発表者名
      青山夕貴子
    • 学会等名
      日本生態学会第60回大会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      20130305-20130305
  • [学会発表] 栄養塩環境から見た小笠原の陸域生態系の特徴2013

    • 著者名/発表者名
      平舘俊太郎(2)・森田沙綾香
    • 学会等名
      日本生態学会第60回大会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      20130300
  • [学会発表] 海洋島における外来生物駆除後の生態系の変化:生態系モデルを用いた解析2012

    • 著者名/発表者名
      吉田勝彦
    • 学会等名
      第28回個体群生態学会大会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      20121020-20121021
  • [学会発表] 小笠原諸島における海鳥の繁殖が土壌の化学的特性におよぼす影響:有効態リン酸および土壌pHに対する影響2012

    • 著者名/発表者名
      平舘俊太郎
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会
    • 発表場所
      鳥取
    • 年月日
      20120904-20120908
  • [学会発表] 小笠原諸島における海鳥の付着型種子散布~種子は巣材を介して付着する?~2012

    • 著者名/発表者名
      青山夕貴子
    • 学会等名
      国際生物多様性の日記念シンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20120522-20120522
  • [図書] 別冊『環』19 日本の「国境問題」 現場から考える2012

    • 著者名/発表者名
      岩下明裕(編)
    • 総ページ数
      368
    • 出版者
      藤原書店
  • [図書] 観光文化 第124号2012

    • 著者名/発表者名
      片桐美徳(編)
    • 総ページ数
      40
    • 出版者
      公益財団法人 日本交通公社
  • [備考] 小笠原生態系循環プロジェクト

    • URL

      http://www.ogasawaraproject.jp/

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公開日: 2014-07-24  

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