研究課題/領域番号 |
22241056
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
加藤 博 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10134636)
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研究分担者 |
斉藤 修 一橋大学, 経済研究所, 非常勤研究員 (40051867)
岩崎 えり奈 共立女子大学, 文芸学部, 准教授 (20436744)
柏木 健一 筑波大学, 人文社会科学研究科, 助教 (00447236)
松本 弘 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (10407653)
北澤 義之 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (90257767)
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キーワード | アラブ / 社会変容 / 世帯調査 / パネルデータ |
研究概要 |
本研究の目的は、アラブ諸国が現在直面している社会経済問題を、世帯単位でのミクロデータの収集、とりわけそのパネル化を通して、多角的かつ実証的に明らかにすることである。こうした基礎的な研究を進めることによってはじめて、アラブ社会に関するミクロデータに基づく詳細な構造分析ができるのみならず、現在展開中のアラブ世界における民主化要求政治運動の社会経済的背景をも理解することができる。平成23年度においても、引き続きエジプトとヨルダンを中心にして研究を行った。イエメンは依然として政情不安のため、研究に関連する統計や地図の購入にとどめざるをえなかった。エジプトについては平成23年度実施した七つの地方都市(総世帯数4,000)に関する、ヨルダンについては同じく平成23年度実施した地方世帯調査(総世帯数4,000)に関するデータベースをそれぞれ共同調査・研究者であるエジプト中央統計局、ヨルダン統計局から購入し、現在、データ解析作業を開始した。エジプトについては、地方都市の中小企業にかかわる生データそのほかを購入し、エジプト革命に関連して青年たちに対するインタビュー調査を準備した。これらはこれまでのエジプト研究では入手の困難なデータであり、その解析はエジプト革命の社会経済的背景を分析することに多大の貢献をするであろう。これまでのヨルダン社会調査は突出した首都アンマンに集中していたため、ヨルダン社会全体の分析にとってきわめて貴重である。また、エジプトについては、データのパネル化の一環として、平成17年に社会調査を実施したカイロ在住のある村落の同郷組合の同じメンバーに対して追跡調査を行うための準備として、エジプト中央統計局との連携の下に、調査質問票の作成と予備調査、ならびに調査員のトレーニングを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究は、エジプト、ヨルダン、イエメンの統計局との共同調査・研究であるが、この三国の統計局はわれわれの研究目的をよく理解してくれており、調査・研究において積極的だからである。しかし、イエメンだけは現時点で依然として政情不安であり、他の二国に比べ調査・研究は遅れ気味である。
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今後の研究の推進方策 |
エジプトとヨルダンについては、今後もこれまでの通り、調査・研究を進めていく。ただし、データは集まりつつあるので、調査・研究の重心をデータ収集からデータ解析へと移していきたい。イエメンについては、研究体制の見直しを考えているが、政情も安定に向かっているところから、本格的な調査・研究を再開させたい。
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