研究課題/領域番号 |
22241056
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
加藤 博 一橋大学, 大学院経済学研究科, 特任教授 (10134636)
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研究分担者 |
柏木 健一 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 助教 (00447236)
松本 弘 大東文化大学, 国際関係学部, 准教授 (10407653)
岩崎 えり奈 共立女子大学, 文芸学部, 准教授 (20436744)
斎藤 修 一橋大学, 名誉教授 (40051867)
北澤 義之 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (90257767)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | アラブ / 社会変容 / 世帯調査 / パネルデータ |
研究概要 |
アラブ諸国が現在直面している社会経済問題を、世帯単位でのミクロデータの収集とそれのパネル化を通して、多角的かつ実証的に明らかにする。平成24年度には、平成23年度の準備作業を踏まえて、エジプトにおいて、エジプト中央統計局と共同で、数年前に調査を行った世帯に対して追跡調査を実施し、そのデータ・情報を分析することによって、世帯の静学的な経済行動(消費・貯蓄行動、就業行動)に関するより一層精緻な分析を行うとともに、異時点間の変動(短期的変動およびライフ・サイクルに関わる長期的変動)を捉えるという動学的な分析を試みた。 具体的な調査としては、平成15年に調査した同じ世帯を対象に、追跡世帯(パネルデータ)調査を実施した。調査対象は、都市部(カイロのビガーム地区とズィニーン地区)と農村部(メヌフィーヤ県のアブー・スィネータ村、べニー・スエフ県のホーマ村、ソハーグ県のアウラード・シェイフ村とカワーメル・バハリー村)などの村でそれぞれ600世帯、合計3,000世帯、2005年に世帯調査を実施した在カイロ同郷組合員に対する世帯調査200世帯である。調査は、8月、9月の2ヶ月間にわたり実施され、統計局のデータ入力班によって、11月から12月の2ヶ月間でなされた。同時に、平成15年度の調査時に作成したデジタル地図を更新するために、地理情報関連データの収集とその分析に努めた。さらに、「アラブの春」と若者に関して、フォーカスグループによる補足調査をカイロで実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書では、調査対象国をエジプト、ヨルダン、イエメンの三か国とした。エジプトとヨルダンについては、当初の計画以上に進展しているが、イエメンについては、「アラブの春」以降の政情不安から外国人研究者による現地調査が不可能となっている。
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書での研究計画では、調査対象国をエジプト、ヨルダン、イエメンの三か国としていた。しかし、イエメンについては、「現在までの達成度」において指摘したように、「アラブの春」以降の政情不安から外国人研究者による現地調査が不可能となっている。イエメンの政情不安は、ここ数年は続くものと思われる。そのため、政情の急速な回復がない限り、平成25年度でのイエメンにおける現地調査はあきらめざるを得ないだろう。しかし、エジプトとヨルダンについては、研究計画は順調に進展しており、本研究の最終年度である平成25年度においては、補足の現地調査を実施するとともに、国際ワークショップを実施するなどして、本研究の成果をまとめ、公表することに努めたい。
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