研究課題/領域番号 |
22241057
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木村 大治 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 教授 (40242573)
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研究分担者 |
寺嶋 秀明 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (10135098)
池谷 和信 国立民族学博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (10211723)
安岡 宏和 法政大学, 人間環境学部, 准教授 (20449292)
小松 かおり 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (30334949)
市川 光雄 (財)日本モンキーセンター, その他部局等, その他 (50115789)
北西 功一 山口大学, 教育学部, 教授 (80304468)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アフリカ熱帯林 / 空洞化した森林 / タンパク質獲得 / 野生獣肉利用 / 家畜生産 / 魚類資源 / 生態人類学 / 自然保護 |
研究概要 |
本研究課題(5年計画)の4年目である2013年度は,現地調査を着実に継続するとともに,研究のまとめに向けての作業を進めた。 現地調査は,2013年8月~9月に,研究代表者の木村が,別経費で渡航した松浦直毅,高村伸吾とともにコンゴ民主共和国赤道州のフィールドを訪れ,漁撈キャンプにおける魚類資源獲得,ローカル・アソシエーションの共同家畜飼養の現状を調査した。その後木村と高村は,東部州の州都キサンガニ近辺において,野生獣肉をはじめとする森林資源が,コンゴ戦争の後に始まった地域住民の徒歩交易によって都市部に流れ出している状況の予備的な調査をおこなった。この予備調査は,本研究を土台とした新たな展開の糸口となりうるものである。また研究分担者の池谷は都市部におけるブタ飼養の調査を進めた。研究協力者の稲井啓之をヨーロッパに,矢野原佑史をカメルーンに派遣し,地域住民のタンパク質獲得に関する資料を収集した。 調査関係者を集めて研究会をおこない,調査の成果についての討論をおこなった。年度末には,カメルーンにおいて継続してきた調査のまとめとして,African Study Monographs Supplementaly Issue "Bio-social Adaptations of the Baka Hunter-gatherers in African Rainforest"を刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地域住民による野生獣肉・魚類資源獲得,それらの都市部への流出の現状,都市部における家畜飼養などの現地調査は着実に進んでいる。また本研究課題において明らかになった問題から,戦争後の地域の交易構造の再編成といった新たな研究展開への糸口が見えてきた。研究の終了に向けての成果発信として,英文論文集の刊行もおこなうことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年度であり,研究のまとめのための最後の現地調査をおこなう。とくに,住民の森林利用に関する調査結果をまとめるにあたっての,データの穴を埋める作業をおこなうことを計画している。同時に,研究成果発信のための研究会を開催し,年度末にはもう一冊の英文論文集の刊行をおこなう予定である。
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