研究課題
液晶ペンタブレットとアイトラッカーを用い「ペンの動作」と「視線の動き」を合わせた系の時間的変化を同時に記録し再生する描画過程の記録観察を行うための新たな実験用ツールを開発した。毎秒およそ30回の視線の動き、並びにペンの動作をサンプリングすることで、錯視を誘発する刺激図形や写実的な図形が現れた際に、それをどのように解釈し模倣するのか、描画の過程でイメージの生成や補完がどのように起っているのかを観測できることが期待できる。現在、図地反転図形を用いた実験や、同じ刺激に対する模倣の繰り返し段階での視線の移動回数の差異などの実験を行っている。東京工業大学中嶋・斎藤研究室との共同研究で開発してきた「油画描画シミュレータ」から得られた知見を利用し、汎用のパソコン上でも動作するグラフィカル・プログラミング環境から操作可能なモジュールの開発に取りかかっている。これによって、より多くの専門家に配布することが期待でき、またこれまでのスタンドアロンのアプリケーションではできなかったインターフェースの柔軟な変更が可能となることが考えられる。
すべて 2010
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心理学評論刊行会 Japanese Psychological Review
巻: Vol.53, No.3 ページ: 367-382