研究課題/領域番号 |
22242008
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研究機関 | 国際日本文化研究センター |
研究代表者 |
稲賀 繁美 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (40203195)
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研究分担者 |
藤原 貞朗 茨城大学, 人文学部, 准教授 (50324728)
テレングト アイトル 北海学園大学, 人文学部, 教授 (10316234)
橋本 順光 大阪大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (80334613)
林 洋子 京都造形芸術大学, 芸術学部, 准教授 (30340524)
戦 暁梅 東京工業大学, 外国語研究教育センター, 准教授 (00401521)
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キーワード | オリエンタリズム / 東洋学 / 東西交渉史 |
研究概要 |
1)研究成果の刊行 研究代表者による編著として、Artistic Vagabondage and New Utopian Projects : Transnational Poietic Experience in East-Asian Modernity (1905-1960) :Selected Papers from the XIXth Congess of the International Comparative Literature Associarion,Seoul,2010, Expanding the Frontiers of Comparative Literature , Augst 15-21, 2010, Cung-Ang University, Seoul, Korea を科学研究費助成金により2011年に刊行。需要が多く、品切れとなったため、2012年に訂正版第2刷を増刷した。 おなじく研究代表者による編著として『東洋意識 夢想と現実のあいだ 1887-1953』ミネルヴァ書房 2012年を刊行した。これらふたつは、研究計画に記載した分科会による研究成果の一部をなすものであり、研究実施計画にそって研究会を実施のうえ、編集をすすめ、計画を数ヶ月前倒しで刊行を実現した。研究計画との整合性は『東洋意識』の導入部に詳しく説明を付している。両者あわせて750ページにおよぶ成果により、東西における東洋意識の成立と葛藤に鳥瞼と分析を与えた。 2)国際学会などでの発表・研究成果の発信 研究代表者、研究分担者、研究協力者により、研究実施計画にそって、美術史、美学、哲学、国際文化交流など国内外の多くの学会等において、研究成果を発信した。詳細は以下の一覧表のとおり。 3)東西交渉史、東洋学、オリエンタリズムをめぐっては、研究代表者は2012年3月にカナダのトロントで開催された全米アジア学会で、討論者に招聘され、またそれに続きオーストラリアのシドニー大学で開催された「すべては海に:海賊・インド洋と美術史」において基調講演を行った。これらは性質上、以下の「学会発表」にはカウントしないが、異文化の異質性許容と同質性拒絶との臨界に関して、歴史的分析に立脚した将来への展望を与えるものとして、関連部会、主催者より評価された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究分担者、研究協力者による当該研究課題成果をとりまとめた成果報告書の一部を『東洋意識:夢想と現実とのあいだ』(ミネルヴァ書房、2012年)として、計画第2年度年度末に予定前倒しで編集し、最終年度開始時点で公刊した。また、欧文による成果論集の一部をなす論文集、Artistic Vagabondage and New Utopia Projectsへの需要が当初の見込みを越えたため、一部内容を改訂し科学研究費補助金により増刷した。これらを計画年度最終年のはやい段階で、研究者共同体に対して発信し、学会などの関係者からの反応を入手しはじめている。これらの応答に基づき、最終年度には、当初の計画を超えて、次のステップを準備する段階を迎えており、それに沿って今後の研究を推進できる見通しが得られている。その一部は、以下12.に記載する。
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今後の研究の推進方策 |
すでに本研究が目標とする課題にかかわり、一定の成果が出始めており、その一部を研究者共同体にむけて発信できる段階に漕ぎ着けた。これを受け、最終年度には研究分担者を研究代表者勤務先以外の研究者に限定し、より焦点を絞った直接経費配分を行う。とりわけ研究分担者、研究協力者からの要請に応じて、重点的に研究会を実施し、また国外調査、国外学会などへの派遣に対応する方針とする。 研究代表者は、6月にフランスの国立美術史研究センター関連の事業、また7月にはカナダ・オンタリオ州におけるプロイニンガー財団主催の国際研究集会、さらには9月には米合衆国シカゴで開催予定の国際比較文学会理事会併設の国際学会、8月末にはフランスのレンヌ大学における国際研究集会において、本研究の成果の一斑を国際的な研究者にむけて発信する予定である。これらの成果はいずれも会期終了後、論文集へと収録の予定である。
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