研究課題/領域番号 |
22242011
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
窪薗 晴夫 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 理論・構造研究系, 教授 (80153328)
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研究分担者 |
梶 茂樹 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (10134751)
岩田 礼 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (10142358)
松森 晶子 日本女子大学, 文学部, 教授 (20239130)
新田 哲夫 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (90172725)
李 連珠 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (50361548)
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キーワード | アクセント / トーン / イントネーション / 日本語 / 言語類型論 |
研究概要 |
今年度は特に借用語のアクセントと疑問文のプロソディーに焦点をあてて分析を行った。研究の成果は国際会議ICPP2011をはじめとする国内外の学会・会議で発表し、また国内外の研究誌に投稿した。各分野の研究実績は次のとおりである。 1.外来語の中でもアルファベット頭文字語のアクセントがどのように決定されるかという問題を、鹿児島方言、甑島方言、喜界島方言をはじめとする日本語諸方言について分析し、そこに知覚上の原理と母方言のアクセント構造の2つが制約として働いていることを明らかにした。 2.ウガンダ西部のバンツー系ニョロ語の現地調査を行い、動詞の変化形における声調の働きを調査した。その際、バンツー語研究において今まであまり考慮されることのなかった関係節の声調や否定形における声調を詳しく考察した。 3.「中国語諸方言との対照研究」の領域では、2回の研究会を基軸に、山西方言、呉方言等のTone sandhiの類型的位置づけ、声調調値変化の実態、周辺言語の漢語受容にみられる声調変換等の問題を検討した。 4.隠岐島の複合語についての調査を行い、前部要素が複合語アクセントの決定に関与しているという事実を発見した。また、隠岐島五箇方言のデジタル録音データを収集した。あわせて、弘前、秋田(由利本庄市)など東北における昇り核を持つ方言を調査して、東京方言と比較した。 5.従来N型アクセントは隠岐諸島より東のものは知られていなかったが,福井県嶺北地方にも2型あるいは3型のN型アクセントが存在することを明らかにした。 6.韓国語晋州方言に関しては、従来「N型アクセント」としてアクセント型の対立は5つみられる「5型アクセント」と報告されているものがあるが、新たな調査と分析を通して現在型の対立が4つに減っていることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りに調査研究を行った。その成果を国際会議において発表し、あわせて国内外の研究誌に投稿した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度が4年間の3年目になる。研究成果を英文論文集として取りまとめる方向で準備を進めたい。
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