研究課題
本研究は、日本人小学生を対象に、初期英文法習得のプロセスを、脳機能イメージング法を用いて脳の発達という観点から明らかにすることを目的とした。具体的には、日本で英語イマージョン教育を行っている小学校の2,4、6年生、合計92名を対象として、3種類の行動調査(言語環境に関する質問紙調査、英語テスト、文容認性判断テスト(聴解、読解))と2種類の脳機能計測(事象関連電位、近赤外線分光法の同時計測)を実施した。言語刺激として、英語の語順が正しい文、間違った文、単語の羅列の合計3種類を用いた。英語テストにより高得点群と低得点群の2群に分類してそれぞれの課題を分析した結果、行動調査では、全てのテストにおいて、高得点群の方が低得点群よりも有意に成績が高かった。事象関連電位では、正文に比べて非文の違反語において、両群ともに左前頭部 (F7, Fz)で陰性波が観察され、高得点群においては、統計上有意であった。近赤外線トポグラフィの結果は、低得点群に比べて高得点群において有意に脳活動が高く、さらに、高得点群では、右半球に比べて左半球の活動が統計上有意に高かった。子供脳の外国語習得を可視化した研究は初めてであり、脳機能にもとづく言語習得のメカニズムの解明がさらに進むことが期待される。これらの成果は、学童期における言語発達の基礎資料となるもので、小学校における英語教育や、言葉の発達・学習障害の支援への貢献、さらには効果的な英語活動や、脳科学的な根拠に基づく英語学習法の開発へ道を開くものと期待される。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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