研究課題/領域番号 |
22242013
|
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
庵 功雄 一橋大学, 国際教育センター, 准教授 (70283702)
|
研究分担者 |
森 篤嗣 帝塚山大学, 現代生活学部, 准教授 (30407209)
岩田 一成 広島市立大学, 国際学部, 講師 (70509067)
山本 和英 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (40359708)
福村 好美 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70377224)
湯川 高志 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (70345536)
|
キーワード | 「やさしい日本語」 / 地域型日本語教育 / 多文化共生 / 日日対訳コーパス / 自然言語処理 / 基本語彙 / 公文書の書き換え / 公文書書き換え支援システム |
研究概要 |
平成23年度は、「やさしい日本語」の理念を具現化した教材を出版した。また、全国各地で講演やワークショップなどを通じ、「やさしい日本語」を用いたユニバーサルコミュニケーション普及活動を行った。詳細な内容については以下の通りである。 1. 「やさしい日本語」の理念を地域型日本語教育のために教材化した『にほんごこれだけ! 2』(庵功雄監修ココ出版)を出版した。 2. 『にほんごここれだけ! 1,2』(『にほんごこれだけ! 1』は平成22年度公刊)を用いた多文化共生のための教室活動の理念の普及のために、北海道から九州まで全国各地において講演やワークショップを開催した。 3. 2に関連して、研究代表者である庵は東京都国際交流委員会と国際交流・協力TOKYO連絡会が中心になって編集した「日本語を母語としない人への情報発信等に関する実態調査」に検討委員会の委員長として参画した。この報告書はweb上で公開されており、「やさしい日本語」による行政情報の発信という本研究の主たる目的の現時点での到達点を示す貴重な指標となっている。 4. 平成22年度に作成した日日対訳コーパスの分析を行い、公文書の書き換えにおける基本語彙の選定や、書き換えコーパスにおける文法的特徴に関する研究を行った。 5. 経験豊富なベテラン日本語教師に依頼して、書き換えコーパスの精度を高める作業を行い、そのデータを実装した形で公文書作成支援システムの運用実験を行い、公文書作成支援システムの構築について具体的なめどを立てた。 6. 4~5の成果を公開するために本研究専用のホームページを開設し、任意のデータを入れると公文書書き換えのための数量的指標が算出される各種ツールを公開した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の中心的理念である「やさしい日本語」に関して、全国各地において講演やワークショップを行っているが、その成果として、各地から地域型日本語教育の方法がわかった等の反応が寄せられている。また、自治体からも「やさしい日本語」を用いた情報提供のスキルを指導してほしい旨の依頼を相当数得ている。そして、その中の一部においては、「やさしい日本語」による公文書作成に関する共同作業の申し込みもある。
|
今後の研究の推進方策 |
残りの研究年度内には最低次の2つの事業を完成に近い段階まで推進する予定である。1つは、公文書書き換えの支援システムの構築およびweb上での公開である。もう1つは、「やさしい日本語」の理念、内容、その評価等を多面的に論じた学術書(論文集)を公刊することである。いずれも現在順調に準備を進めている。
|