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2012 年度 実績報告書

石刻史料と史料批判による魏晋南北朝史の基本問題の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 22242022
研究機関大阪教育大学

研究代表者

伊藤 敏雄  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00184672)

研究分担者 安部 聡一郎  金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (10345647)
福原 啓郎  京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (60221537)
葭森 健介  徳島大学, その他の研究科, 教授 (50191648)
関尾 史郎  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (70179331)
窪添 慶文  (財)東洋文庫, その他部局等, 研究員 (40011382)
佐川 英治  東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (00343286)
佐藤 智水  龍谷大学, 文学部, 教授 (40116463)
川合 安  東北大学, 文学研究科, 教授 (30195036)
中村 圭爾  相愛大学, 人文学部, 教授 (00047383)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2015-03-31
キーワード東洋史 / 魏晋南北朝史 / 石刻史料 / 墓誌 / 史料批判 / 国際研究者交流 / 中国
研究概要

研究参加者の役割分担等をもとに、以下のように研究を推進し、成果を挙げた。
1.6月・7月に研究打合せを行い、研究計画・研究方法・研究状況・研究内容について共同討議を行い、中国での調査地と時期について協議した。特に、7月には窪添の研究報告をもとに、共同討議を行った。
2.9月上旬に研究参加者のうち7名が中国大同で、雲崗石窟、同石窟陳列館、覚山寺(北魏文成帝南巡碑)、大同市博物館などで墓誌や石碑などの石刻史料を実見・調査した。この調査では、かねてより注目していた墓誌や石碑のほか、新出の墓誌・文字磚などを実見することができ、本研究の進展に大いに役立った。
3.9月中旬に海外共同研究者の張銘心氏らを招き、中間成果報告会として国際学術シンポジウム「墓誌を通した魏晋南北朝史研究の新たな可能性」を開催した。その中で、佐川が本研究の海外調査とその成果を整理し、研究の展望を示したほか、張銘心氏が墓誌の伝播の状況を本格的に呈示し、王素(論文参加)・李鴻賓各氏が未刊の『大唐西市博物館蔵墓誌』中の北朝墓誌とそれを利用した研究を報告し、研究の可能性を示した。
4.毛遠明『漢魏六朝碑刻校注 全10冊』(2008年)のデータ・ベース化を継続するとともに、2012年末刊行の『大唐西市博物館蔵墓誌』の北魏~隋部分のデータ・ベースを作成した。
5.共同討議を踏まえつつ、各分担部分を中心に、文献史料や出土文物・文字資料、考古学的成果を利用して研究を推進した。その結果、本年度は、特に安部の史料批判的研究、福原の西晋墓誌研究、窪添の北魏墓誌の研究や北魏弘農楊氏の研究、佐藤の初期邑義の研究、關尾の古代墓券の研究、川合・中村の南朝史に関わる研究等の成果を得た。また、9月中旬のシンポジウムの報告をもとに、窪添の北魏弘農楊氏の研究、關尾の古代墓券の研究を加え、科研中間成果報告書を作成した(予算の都合上、2013年5月刊行)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

毛遠明『漢魏六朝碑刻校注 全10冊』(2008年)のデータ・ベース化が予定より遅れているが、予期していなかった『大唐西市博物館蔵墓誌』について北魏~隋部分のデータ・ベースを作成した上、中国大同の実見・調査で予想以上の成果を収め、共同討議を踏まえながら、各自の研究が順調に進展している。また、中間成果報告書を作成した。よって、全体として、おおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

研究参加者による共同討議と各自の研究を進展させるとともに、中国での墓誌など石刻史料の実見調査と新出墓誌の釈文制作を継続する。研究参加者が国内外の研究会・学会で研究報告を行い、研究の到達点と課題を明確にした上で、更に研究を進展させる。予定より遅れている毛遠明『漢魏六朝碑刻校注 全10冊』(2008年)のデータ・ベース化についてはスピードアップしながら推進する(今年度は、研究協力者の大幅な協力が得られる予定である)。

  • 研究成果

    (21件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 長沙呉簡中の生口売買と「估銭」徴収をめぐって -「白」』文書木牘の一例として-2013

    • 著者名/発表者名
      伊 藤 敏 雄
    • 雑誌名

      歴史研究(大阪教育大学)

      巻: 第50号 ページ: 97~128

    • DOI

      rk_50_97-128

  • [雑誌論文] 遷都後の北魏墓誌に関する補考2013

    • 著者名/発表者名
      窪 添 慶 文
    • 雑誌名

      東アジア石刻研究

      巻: 第5号 ページ: 1~24

  • [雑誌論文] 北魏における弘農楊氏2013

    • 著者名/発表者名
      窪 添 慶 文
    • 雑誌名

      科研中間成果報告書 墓誌を通した魏晋南北朝史研究の新たな可能性

      巻: なし ページ: 62~81

  • [雑誌論文] 中国における初期の邑義について(下) ~女性による集団造像~2013

    • 著者名/発表者名
      佐 藤 智 水
    • 雑誌名

      龍谷大学仏教文化研究所紀要

      巻: 第51号 ページ: 未定

  • [雑誌論文] 古代中国における墓券の展開2013

    • 著者名/発表者名
      關 尾 史 郎
    • 雑誌名

      科研中間成果報告書 墓誌を通した魏晋南北朝史研究の新たな可能性

      巻: なし ページ: 90~111

  • [雑誌論文] 西晋の成晃墓誌について2013

    • 著者名/発表者名
      福 原 啓 郎
    • 雑誌名

      石田肇教授退休記念事業会編『金壷集 石田肇教授退休記念金石書学論叢』石田肇教授退休記念事業会

      巻: なし ページ: 72~82

  • [雑誌論文] 東アジア世界の形成と中国の皇帝権2013

    • 著者名/発表者名
      葭 森 健 介
    • 雑誌名

      徳島大学総合科学部人間社会研究

      巻: 第20巻 ページ: 25~50

  • [雑誌論文] 南朝史からみた隋唐帝国の形成2012

    • 著者名/発表者名
      川 合   安
    • 雑誌名

      唐代史研究

      巻: 第15号 ページ: 3~21

  • [雑誌論文] 南北朝新出土墓誌的実地考察 -南京・洛陽・西安・太原-2012

    • 著者名/発表者名
      佐 川 英 治
    • 雑誌名

      早期中国史研究

      巻: 第四巻第一期 ページ: 154~193

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「中正」官の特異性について -魏晋時代における国家と社会に関する一考察-2012

    • 著者名/発表者名
      福 原 啓 郎
    • 雑誌名

      中国社会科学院歴史研究所・日本東方学会・武漢大学三至九世紀研究所編『第三届中日学者中国古代史論壇文集』中国社会科学出版社

      巻: なし ページ: 125~152頁

  • [雑誌論文] 均田農民の「分」 -魏晋南北朝史隋唐の農民の社会的生存権について2012

    • 著者名/発表者名
      葭 森 健 介
    • 雑誌名

      研究論集(河合文化教育研究所)

      巻: 第10集 ページ: 75~87

  • [学会発表] 劉秀河北逃亡小考 -東漢建国政治過程的再検証

    • 著者名/発表者名
      安 部 聡一郎
    • 学会等名
      第六届中国中古史青年学者聯誼会
    • 発表場所
      復旦大学(中国・上海市)
  • [学会発表] 范曄『後漢書』史料批判研究 -以東漢末期的士人動向為中心

    • 著者名/発表者名
      安 部 聡一郎
    • 学会等名
      復旦大学中華文明国際研究中心訪問学者講座
    • 発表場所
      復旦大学(中国・上海市)
    • 招待講演
  • [学会発表] 北魏における弘農楊氏

    • 著者名/発表者名
      窪 添 慶 文
    • 学会等名
      魏晋南北朝史研究会2012年度大会
    • 発表場所
      日本女子大学(東京)
  • [学会発表] 南北朝新出墓誌の現地調査 -南京・洛陽・西安・太原-

    • 著者名/発表者名
      佐 川 英 治
    • 学会等名
      国際学術シンポジウム「墓誌を通した魏晋南北朝史の新たな可能性」
    • 発表場所
      日本女子大学(東京)
  • [学会発表] 中国北朝造像銘の調査・研究から見えるもの

    • 著者名/発表者名
      佐 藤 智 水
    • 学会等名
      佛教史学会
    • 発表場所
      大谷大学(京都)
  • [学会発表] 古代中国における墓券の展開

    • 著者名/発表者名
      關 尾 史 郎
    • 学会等名
      ボッフム大学東アジア学部主催講演会
    • 発表場所
      ボッフム大学(ドイツ)
    • 招待講演
  • [学会発表] 西晋の当利社残碑の歴史的意義

    • 著者名/発表者名
      福 原 啓 郎
    • 学会等名
      第5回中国石刻合同研究会
    • 発表場所
      明治大学駿河台キャンパス(東京)
  • [学会発表] 西晋の張朗墓誌の総合的研究を目指して

    • 著者名/発表者名
      福 原 啓 郎
    • 学会等名
      魏晋南北朝史研究会2012年度大会
    • 発表場所
      日本女子大学(東京)
  • [図書] 六朝政治社会史研究2013

    • 著者名/発表者名
      中 村 圭 爾
    • 総ページ数
      593
    • 出版者
      汲古書院
  • [備考] http://ir.lib.osaka-kyoiku.ac.jp/dspace/

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公開日: 2014-07-24  

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