研究課題/領域番号 |
22242023
|
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
篠原 琢 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (20251564)
|
研究分担者 |
吉岡 潤 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (10349243)
小森 宏美 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (50353454)
中澤 達哉 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (60350378)
池田 嘉郎 東京理科大学, 理学部, 准教授 (80449420)
小山 哲 京都大学, 文学研究科, 教授 (80215425)
|
キーワード | 境界地域 / 東欧近現代史 / 市民権 / パトリア |
研究概要 |
2011年度に行った研究活動は、研究代表者・分担者による個別調査のほかは以下の通りである。 ・7月9日(東京外国語大学本郷サテライト) 割田聖史「ポズナンにおけるパトリア意識の形成と展開(仮)」、戸谷浩「コマーロムの筏流しと筏師 : それの開く可能性を模索して」、古谷大輔「18世紀スウェーデンにおける貴族共和主義と愛国主義」、青島陽子「ロシア帝国の西部諸県統治政策-大改革とポーランド蜂起の影響」、平田武「ハンガリー史における二つの象徴体系-国民の祝日を手がかりに-」 ・9月19日 : 中央ヨーロッパ大学歴史学部におけるワークショップ ・12月23日・24日:「近世ヨーロッパ周縁世界における複合的国家編成の比較研究」(大阪大学)との合同研究合宿・3月6日 : 国外研究者を招聘した国際ワークショップ、「境界地域としてのベラルーシ」、報告者 : ヤツェク・プルフラ、バルバラ・シペル(以上、国際文化研究所、クラクフ)、カタジナ・ブワホフスカ(ワルシャワ大学歴史学研究所) ・3月10日 : 国外研究者を招聘した国際ワークショップ、「19世紀における国民史学と国民文学」カタジナ・ブワホフスカ「歴史をめぐる論争/現代をめぐる論争-19世紀のロシアとポーランドの歴史家の解釈にみる旧リトアニア大公国」ロバート・ピンセント(ロンドン大学スラヴ・東欧研究所)「ナショナリストの決まり文句 : ヨーロッパの中心」 個別研究報告を中心とする以上の研究会活動によって、ヨーロッパ境界地域の歴史的経験を記述するにあたっての方法論的問題点について、研究分担者相互の認識が深まり、個別研究相互の連携がなされた。同時に、研究成果を国外研究者と共有することによって、研究の展開のための国際ネットワークが着実に構築された。これらの成果は、次年度に予定されているベラルーシ・ポーランドにおける国際移動セミナーに引き継がれる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究プロジェクトにおける研究分担者の個別研究の進展はおおむね順調であり、研究会活動、国際ワークショップによって、相互の連携は進んだ。そのため、主題的・方法論的な共通認識が深まり、プロジェクトとして統合されている。また、国際的な研究ネットワークの構築も予定通り、順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
研究期間を半分過ぎたところで、分担者の個別研究についてはおおむね順調に進んでいる。ただし、主題的・方法論的な共通認識が深まったことを、どのように個別研究に反映させ、ヨーロッパ東部境界地域の歴史的経験の叙述方法を構築していくか、ということが課題として残っている。 本年度は、国際文化研究所(クラクフ、ポーランド)との協力の下に、「国際移動セミナー:ベラルーシ」が予定されており、そこでの共同調査・共同討論を経て、前記の課題を果たしていく。また、7月と1月に1回ずつ研究会を行うほか、3月にはオックスフォード大学のオリヴァー・ジマー氏を招聘して、ナショナリズム論の総合的な検討を行う予定である。研究成果の発表は、2014年度の日本西洋史学会でのシンポジウムとして行う予定である。
|