研究課題/領域番号 |
22242026
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
亀田 修一 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (10140485)
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研究分担者 |
白石 純 岡山理科大学, 自然科学研究所, 准教授 (70434983)
徳澤 啓一 岡山理科大学, 総合情報学部, 准教授 (90388918)
鳥居 雅之 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (60108983)
波田 善夫 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (00098592)
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キーワード | 考古学 / 須恵器 / 胎土分析 / 考古地磁気 / 植生 |
研究概要 |
邑久窯跡群は中国四国地方最大の須恵器窯跡群である。しかし窯構造はよくわかっておらず、遺物研究も不十分である。そのため本研究では地元教育委員会の協力を得て、窯跡を選択的に発掘調査し、考古学的情報を入手することを第一の目的としている。 そこで平成22年度は備前市佐山新池窯跡群の発掘調査に着手した。今回の発掘調査によって邑久窯跡群において初めて8世紀後半の1号窯跡を確認できた。窯構造の詳細については23年度の調査によるが、現時点で窯体の一部と灰原を確認している。まずこれが大きな成果の一つである。 遺物は杯、皿、盤、平瓶、長頸壺、薬壺形壺、甕、窯壁などがパンケース50箱ほど出土しており、その中には「大」ヘラ書き土器や役所でおもに使用される大型の平瓶や盤などが含まれており、この窯で生産された須恵器が備前国府などに供給されたことが推測された。このような成果はこれまでわかっておらず、今回の科学研究費補助金による調査のもう一つの大きな成果ということができる。 自然科学的手法による調査は、22年度は試料採取の段階であり、今後試料を増やすとともに、その検討を進める予定である。特に胎土分析に関しては、22年度購入の蛍光X線分析装置を使って鋭意分析を進めており、その成果が楽しみな状況である。 このように調査は始まったばかりであるが、考古学と関連する自然科学を総合化し、邑久古窯跡群における須恵器生産の実態を明らかにするとともに、代表者らが行っている朝鮮半島との比較検討によってその歴史的位置付け、朝鮮半島との関わりなどについてさらに検討を進めたいと考えている。
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