研究課題/領域番号 |
22243001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 賢 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80226505)
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研究分担者 |
高見澤 磨 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (70212016)
坂口 一成 兵庫教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (10507156)
宇田川 幸則 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80298835)
崔 光日 尚美学園大学, 総合政策学部, 教授 (60360880)
石井 知章 明治大学, 商学部, 教授 (90350264)
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キーワード | 権威主義体制 / 市場経済 / 民主化 / 市民社会 / 法の支配 / NGO |
研究概要 |
計画にしたがい政治の民主化、自由化なき経済の市場化、商業化による発展モデルのガバナンス構造につき多面的に分析を行った。とくに政治と経済の隙間にいかなる質とボリュームの「社会」が形成されているかを明らかにするために、北京において以下の諸機関を訪問し、インタビュー調査を行った。(1)JICA民事訴訟法民事関連法改善項目事務所、(2)北京中聞律師事務所・呉革弁護士、(3)大自然保護協会(TNC)北京辧公室、(4)アメリカ大使館・アメリカ合衆国国際開発庁(USAID)、(5)世界自然基金会(WWF)北京代表処、(6)亜洲基金会(The Asia Foundation)北京オフィス。外国の政府やNGOが中国の市民社会形成にいかなるコミットをしているかにつき、以下のような点が判明した。1.外国系のNGOも中央/地方の党や政府機関との微妙な相互利用関係のもとに事業を進めている。湖南省における情報公開制度構築支援の例が典型(亜洲基金会)。2.欧米の政府、企業、NGOなどは、中国国内の草の根NGO(営利企業として登録している場合が多い)、人権派弁護士の影響性訴訟活動などへきめ細かな支援をし、市民社会の育成や法の支配確立へ向けたコミットメントを続けている。3.対照的に、日本の政府、大使館、JICA、企業などは政府以外のアクターをカウンターパートとした支援にはほとんど関心を示していない。4.外国からの資金や情報、ノウハウなどの提供を受けて、中国側にも党や政府には統制されない領域が、厳しい法的環境の間隙を縫って、少しずつではあるが、形成されてきている。さらに、陳小君教授、麻昌華教授(以上、中南財経政法大学)らを招聘して、農村土地制度について、董和平教授(西北政法大学)を招聘して憲政理論について、賀衛方教授(北京大学)を招聘して中国司法の現状についてのワークショップを開催した。加えて、諸文献の調査、解読通じて、各メンバーの専門領域に即して検証する作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献収集、読解、解析と現地調査によりほぼ予定通り課題が遂行されている。一部のメンバーがスケジュールの関係で調査旅行に参加できない場合には、調査の記録を文字化して不足を補う努力をしている。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り研究活動を推進することに課題の完成を目指すこととしている。
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