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2012 年度 実績報告書

変貌する家事紛争に対応した解決モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 22243008
研究機関立命館大学

研究代表者

二宮 周平  立命館大学, 法学部, 教授 (40131726)

研究分担者 田中 通裕  関西学院大学, 法学部, 教授 (00131508)
櫻田 嘉章  甲南大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (10109407)
中野 俊一郎  神戸大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (30180326)
村本 邦子  立命館大学, 応用人間科学研究科, 教授 (70343663)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード家事紛争の解決過程 / 当事者へのサポート / 離婚後の親子の交流 / 子の国際的な奪取 / DV被害者の支援
研究概要

以下の9つの研究会を開催した。①2012年4月6日、シュテーサー、ビスマイヤー判事(シュトゥットガルト高裁)、エルプ=クリューネマン判事(ハム地裁)による公開研究会「ドイツにおける家事事件手続の展開~共同配慮、面会交流の支援に関して」、②4月7日、国際シンポジウム「ドイツにおける『ハーグ子の連れ去り条約』による子の返還裁判の実務」(大阪弁護士会と共催)③5月20日、宋賢鐘専門調査官(ソウル家庭法院)による公開研究会「ソウル家庭法院の取組み~夫婦間の合意形成、離婚後の親子の交流」、④8月26日、セミナー「離婚後の面会交流~問題の多様性と望まれる法システム」(民科民法夏合宿と共催)、⑤9月17~18日、フィッシャー=チェルマーク、ベーム、フェアシュレーゲン教授(ウィーン大学)による公開研究会「オーストリア家族法の動向」、⑥10月31日、ラリュー弁護士による公開研究会「フランスにおける家事事件手続~メディエーションの経験を踏まえて」、⑦11月17日、シンポジウム「台湾・日本における家族法・相続法の課題」(報告・何佳芳、祭華凱、黄詩淳、二宮)、⑧12月24日、セミナー「日本・ベトナム家族法・国際私法研究会」(ハノイ国家大学にて、報告・二宮、酒井、渡辺)、⑨2013年2月26日、公開研究会「日本家族法・国際私法の現状と課題」(ウィーン大学、報告・二宮、佐々木、松久、渡辺、長田)であり、⑧⑨は研究成果の国際的発信である。
また⑩2012年12月24~25日、ベトナムにて家庭裁判所訪問、裁判官、地域法務委員会委員、弁護士などのヒアリング、⑪2013年2月25~3月1日、ウィーンにて少年福祉局、訪問カフェ、司法省家族法改正担当者、公証人、弁護士など訪問・ヒアリング調査を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ドイツ、オーストリア、フランス、ベトナム、台湾、韓国に関して研究会や調査を行った結果、共通する家族紛争解決の手法として、当事者の合意形成の促進、そのための家庭裁判所のコントロール、福祉機関や民間機関との連携、裁判外の調停手続の活用が行われており、当事者を支援する仕組みを備えていることが分かった。法制度を動かしている法曹、福祉機関、民間団体の実情を知ることにより、紛争解決モデルの構築に大きな示唆を得た。

今後の研究の推進方策

当事者の合意形成を支援し、自主的な家族紛争の解決モデルを構築するという本研究の課題について、法と心理の協働に関する具体的な研究、例えば、シュトゥットガルト(2012年2月)並びにウィーン調査(2013年2月)から課題として浮かび上がった各機関の連携と心理的手法の導入、子の意思の把握に関する心理学的手法の手引きの作成などを行う。また韓国と台湾について改正法施行後の実情を調査する。これまでの研究成果を総括し、公表するために、シンポジウムを開催し、出版(刊行は2014年度)作業に着手する。

  • 研究成果

    (47件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (26件) 学会発表 (10件) 図書 (11件)

  • [雑誌論文] 連載:社会臨床の視界(12)「暴力を振るうものたちの「言い訳」の分析-脱暴力への認知再構成の手がかりと修復の課題の生成にむけて-」2013

    • 著者名/発表者名
      中村正
    • 雑誌名

      対人援助学マガジン

      巻: 3-4 ページ: 16-27

  • [雑誌論文] DVと子ども2013

    • 著者名/発表者名
      村本邦子
    • 雑誌名

      子どもの心と学校臨床

      巻: 8 ページ: 52-59

  • [雑誌論文] 子の福祉と嫡出推定2013

    • 著者名/発表者名
      二宮周平
    • 雑誌名

      戸籍時報

      巻: 692 ページ: 4-17

  • [雑誌論文] 性別の取扱いを変更した人の婚姻と嫡出推定2013

    • 著者名/発表者名
      二宮周平
    • 雑誌名

      立命館法学

      巻: 345=346 ページ: 576-610

  • [雑誌論文] アメリカの養育費制度についての一考察2012

    • 著者名/発表者名
      山口亮子
    • 雑誌名

      産大法学

      巻: 46巻3号 ページ: 426-450

  • [雑誌論文] 親権 : 各国法の概観(2)オーストラリアの親権法2012

    • 著者名/発表者名
      小川富之
    • 雑誌名

      戸籍時報

      巻: 692 ページ: 32-38

  • [雑誌論文] 渉外家事事件判例評釈(25)親権者変更審判申立事件の係属中に子を外国に連れ去った母から父に親権者を変更した事例[福岡高裁那覇支部平成22.2.23決定]2012

    • 著者名/発表者名
      織田有基子
    • 雑誌名

      戸籍時報

      巻: 685 ページ: 62-68

  • [雑誌論文] 米国カリフォルニア州裁判所が下した配偶者扶養費等に関する裁判の執行を許した事例2012

    • 著者名/発表者名
      北坂尚洋
    • 雑誌名

      私法判例リマークス

      巻: 45 ページ: 126-129

  • [雑誌論文] 母への親権者変更を認めないイラン・イスラム法の適用を公序に反するとした事例(東京家審平成22年7月15日)2012

    • 著者名/発表者名
      黄ジンテイ
    • 雑誌名

      戸籍時報

      巻: 691 ページ: 44-51

  • [雑誌論文] エーベルハルト・シュテーサー著「コッヘムモデルとは何か」2012

    • 著者名/発表者名
      佐々木健(翻訳)
    • 雑誌名

      立命館法学

      巻: 344 ページ: 627-647

  • [雑誌論文] 注釈・フランス家族法(8)2012

    • 著者名/発表者名
      田中通裕
    • 雑誌名

      法と政治

      巻: 63-4 ページ: 133-158

  • [雑誌論文] 注釈・フランス家族法(7)2012

    • 著者名/発表者名
      田中通裕
    • 雑誌名

      法と政治

      巻: 63-3 ページ: 656-637

  • [雑誌論文] 注釈・フランス家族法(6)2012

    • 著者名/発表者名
      田中通裕
    • 雑誌名

      法と政治

      巻: 63-2 ページ: 364-346

  • [雑誌論文] 日台間での司法共助と判決の相互的執行の可能性2012

    • 著者名/発表者名
      中野俊一郎(王欽彦と共著)
    • 雑誌名

      国際商事法務

      巻: 40-4 ページ: 525-536

  • [雑誌論文] 連載:社会臨床の視界(10)「ソーシャル・ナラティブと社会臨床-変わりにくい日常という物語を書き換えることの重要性と社会の物語構造に着目することの意義について」2012

    • 著者名/発表者名
      中村正
    • 雑誌名

      対人援助学マガジン

      巻: 3-2 ページ: 15-26

  • [雑誌論文] 連載:社会臨床の視界(11) 「日常に潜む暴力」2012

    • 著者名/発表者名
      中村正
    • 雑誌名

      対人援助学マガジン

      巻: 3-3 ページ: 17-30

  • [雑誌論文] ダグマー・ケスター著「国境を越える配慮権あるいは面会交流権をめぐる紛争についての経験」2012

    • 著者名/発表者名
      長田真里(翻訳)
    • 雑誌名

      立命館法学

      巻: 341 ページ: 553-571

  • [雑誌論文] フォルカー・ビスマイヤー著「ドイツ新家事事件手続法の実務~裁判手続、裁判への協力、実務での運用~」2012

    • 著者名/発表者名
      松久和彦(翻訳)
    • 雑誌名

      立命館法学

      巻: 344 ページ: 648-674

  • [雑誌論文] ドメスティック・バイオレンスに対する司法・行政の役割―多角的アプローチから2012

    • 著者名/発表者名
      松村歌子(井上匡子他と共著)
    • 雑誌名

      司法福祉学研究

      巻: 13 ページ: 196-203

  • [雑誌論文] 障がい児を産まない権利?障がい児として生まれない権利?2012

    • 著者名/発表者名
      松本克美
    • 雑誌名

      ジェンダーと法

      巻: 9 ページ: 105-114

  • [雑誌論文] いま、家族を問う~家族は変わったか?2012

    • 著者名/発表者名
      村本邦子
    • 雑誌名

      女性ライフサイクル研究

      巻: 22 ページ: 5-11

  • [雑誌論文] 「対人援助学」のすすめ2012

    • 著者名/発表者名
      村本邦子
    • 雑誌名

      人権のひろば

      巻: 86 ページ: 17-19

  • [雑誌論文] 親権 : 各国法の概観(1)アメリカの親権法2012

    • 著者名/発表者名
      山口亮子
    • 雑誌名

      戸籍時報

      巻: 691 ページ: 25-31

  • [雑誌論文] 渉外家事事件判例評釈(27)台湾に在住していた夫婦の日本人妻が日本に帰国し提起した離婚訴訟の国際裁判管轄と台湾で係属した重複的な離婚訴訟[大阪家裁平成20.4.18中間判決]2012

    • 著者名/発表者名
      渡辺惺之
    • 雑誌名

      戸籍時報

      巻: 688 ページ: 50-59

  • [雑誌論文] 親子間の面接交渉2012

    • 著者名/発表者名
      長田真里
    • 雑誌名

      国際私法判例百選第2版

      巻: 210 ページ: 150-151

  • [雑誌論文] 立法提案~改正の方向性2012

    • 著者名/発表者名
      二宮周平
    • 雑誌名

      日本家族<社会と法>

      巻: 28 ページ: 77-88

  • [学会発表] Die Rechtslage des Kindeswillens im japanischen Familienrecht -Aus der Sicht der letzten Gesetzesänderungen-

    • 著者名/発表者名
      佐々木健
    • 学会等名
      公開研究会「日本家族法・国際私法の現状と課題」
    • 発表場所
      ウィーン大学(オーストリア)
  • [学会発表] 家事紛争における当事者支援システム (ドイツ)

    • 著者名/発表者名
      佐々木健
    • 学会等名
      日本家族<社会と法>学会第29回大会シンポジウム
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都)
  • [学会発表] 面会交流における子の意思-片親疎外(症候群)概念からの一考察―

    • 著者名/発表者名
      佐々木健
    • 学会等名
      民主主義科学者協会法律部会・夏期合宿研究会
    • 発表場所
      あいち健康プラザ(愛知県)
  • [学会発表] 法執行から見る DV防止法:異なる法分野における執行の連携と協働の可能性に向けて

    • 著者名/発表者名
      立石直子、松村歌子(柿本佳美 、 宮園久栄、町村泰貴と共同報告)
    • 学会等名
      2012年度法社会学会ミニシンポジウム
    • 発表場所
      京都女子大学(京都府)
  • [学会発表] 臨床家族社会学研究法-関与的観察の手法をとおした家族システム変容の記述について

    • 著者名/発表者名
      中村正
    • 学会等名
      第19回日本家族看護学会・家族研究の方法論セッションシンポジウム
    • 発表場所
      学術総合センター(東京都)
  • [学会発表] 法に関わる家族と子どもの援助をめぐって

    • 著者名/発表者名
      廣井亮一
    • 学会等名
      日本家族心理学会, 第29回大会
    • 発表場所
      東京学芸大学(東京都)
  • [学会発表] Vermoegensrechtliche Scheidungsfolgen in Japan

    • 著者名/発表者名
      松久和彦
    • 学会等名
      公開研究会「日本家族法・国際私法の現状と課題」
    • 発表場所
      ウィーン大学(オーストリア)
  • [学会発表] DV被害母子への支援の実態と可能性~福祉・心理、業績、司法はいかに連携しうるのか

    • 著者名/発表者名
      村本邦子
    • 学会等名
      対人援助学会第4回大会
    • 発表場所
      神奈川県立保健福祉大学(神奈川県)
  • [学会発表] ハーグ条約の批准と友好的解決―外国人に利用される国際家事調停を目指して―(パネリスト)

    • 著者名/発表者名
      渡辺惺之
    • 学会等名
      大阪弁護士会・総合紛争解決センター・日本仲裁人協会共催セミナー
    • 発表場所
      大阪国際交流センター(大阪府)
  • [学会発表] Charakteristika und Aufgabe des japanischen Familienrechts

    • 著者名/発表者名
      二宮周平
    • 学会等名
      公開研究会「日本家族法・国際私法の現状と課題」
    • 発表場所
      ウィーン大学(オーストリア)
  • [図書] 「DV事案における離婚と子の処遇-被害者と子どものために必要な視点とは」法執行研究会編『法はDV被害者を救えるか~法分野協働と国際比較~』2013

    • 著者名/発表者名
      立石直子
    • 総ページ数
      520
    • 出版者
      商事法務
  • [図書] 「オーストラリアにおけるfamily violence問題への対策と課題 ―ヴィクトリア州の取組み、及び家族法の改正を素材として」法執行研究会編『法はDV被害者を救えるか~法分野協働と国際比較~』2013

    • 著者名/発表者名
      立石直子
    • 総ページ数
      520
    • 出版者
      商事法務
  • [図書] 高畠克子編著『DVはいま~協働による個人と環境への支援』(P.18-34、127-139担当)2013

    • 著者名/発表者名
      村本邦子
    • 総ページ数
      314
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] 「家族生活における人権保障の課題―DV問題にみる夫婦の非対称性と民法二条の可能性を考える」上田勝美・憲法研究所編『平和憲法と人権・民主主義』2012

    • 著者名/発表者名
      立石直子
    • 総ページ数
      354(150-163)
    • 出版者
      法律文化社
  • [図書] 「ハラスメント加害者」廣井亮一編『加害者臨床』2012

    • 著者名/発表者名
      中村正
    • 総ページ数
      264(104-113)
    • 出版者
      日本評論社
  • [図書] 『加害者臨床』2012

    • 著者名/発表者名
      廣井亮一(編著)
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      日本評論社
  • [図書] 『カウンセラーのための法と臨床-離婚・虐待・非行の問題解決に向けて』2012

    • 著者名/発表者名
      廣井亮一
    • 総ページ数
      218
    • 出版者
      金子書房
  • [図書] 「婚姻解消と夫婦財産の清算-第67回ドイツ法曹大会を中心として-」香川大学法学会編『現代における法と政治の探求』2012

    • 著者名/発表者名
      松久和彦
    • 総ページ数
      299(231-257)
    • 出版者
      成文堂
  • [図書] 「ヨーロッパにおける夫婦財産制の動向について~ヨーロッパ家族法委員会(CEFL)の活動の紹介~」 田井義信編『民法学の現在と近未来』2012

    • 著者名/発表者名
      松久和彦
    • 総ページ数
      370(272-286)
    • 出版者
      法律文化社
  • [図書] 「子の出自を知る権利」学術会議叢書19『生殖補助医療と法』2012

    • 著者名/発表者名
      二宮周平
    • 総ページ数
      285(211-234)
    • 出版者
      日本学術協力財団
  • [図書] 「親子関係とジェンダー」榊原富士子・浅倉むつ子・林弘子・二宮周平編『講座ジェンダーと法第2巻』2012

    • 著者名/発表者名
      二宮周平
    • 総ページ数
      280(109-121)
    • 出版者
      日本加除出版

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公開日: 2014-07-24  

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