研究課題/領域番号 |
22243009
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
児矢野 マリ 北海道大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (90212753)
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研究分担者 |
高村 ゆかり 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (70303518)
久保 はるか 甲南大学, 法学部, 准教授 (50403217)
島村 健 神戸大学, 大学院・法学研究科, 准教授 (50379492)
鶴田 順 海上保安大学校, 国際海洋政策研究センター, 准教授 (90524281)
堀口 健夫 北海道大学, 大学院・法学研究科, 准教授 (10374175)
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キーワード | 環境法 / 環境条約 / 条約の国内実施 / 国際法と国内法 / 行政執行過程 |
研究概要 |
初年度の成果として構築した理論的枠組の下で、環境条約の国内実施についての第一段階(条約の国内法への編入)の実証分析作業を、各班(全体で10)で進め、全体会合でその中間成果の報告・検討を行うとともに、行政実務担当者を招いて実務の実態把握と論点整理に努めた。全体では、(1)各班の中間成果の報告、(2)実務家(関係省庁担当者)との意見交換、(3)国際実務上の論点把握のための海外調査、(4)研究に必要な文献・データの収集、の4つである。班の枠組を超えた全体では、3回の研究会合を開き、有益な意見交換と討論を行った。そして、来年度における班ごとの実証分析作業のより高度化かつ精密化、及び、分野横断的な論点の抽出と実証分析の開始に向けて、有益な成果を得ることができた。また、メンバー各自による海外調査、国際会議等への出席を通じて、関運資料・情報の収集、海外の実務家・研究者との意見交換も深めた。(1)全体研究会第1回:10月15・16日(北大):生物多様性・自然保全分野の研究報告(田中)、実務家との意見交換「世界遺産に関するわが国の法・政策の実務」(中山隆治氏(環境省釧路自然環境事務所次長・統括自然保護企画官))、各班の中間成果報告、(2)班の枠組を超えた個別班の中間成果報告会:11月3日(北大):損害賠償分野の研究報告(佐古田)、(3)全体研究会第2回:2月20・21日(東京):実務家との意見交換「海洋投棄汚染防止ロンドン条約1996年議定書批准に向けた2004年法改正の概要」(水野理氏(環境省水・大気環境局調査官・ダイオキシン対策室長))、「海洋投棄汚染防止ロンドン条約1996年議定書に基づく国内規制枠組みについて(二酸化炭素海底下貯留を中心に)」(竹本明生氏(アジア太平洋地球変動研究ネットワーク事務局長))、各班の中間成果報告、本年度総括・今後の研究計画の検討。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分担班ごとの個別の実証分析(第一段階)は順調に進み、より精緻な実証分析に向け、その結果を研究枠組・方法にフィードバックする議論も活発である。国内実施の全体像を議論する土台もでき上がりつつある。対外的な中間成果の発表(口頭発表、刊行)も、具体的な方法・態様が決まりつつある。必要な文献・情報・データの入手も順調であり、国内の実務家・研究者に加え、海外の関係者とのネットワークも構築されつつある。
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今後の研究の推進方策 |
主に4つの方策を進めていく。第1に、これまでの各班による個別の実証分析作業(第一段階の実証分析)の成果を受けて、条約の国内実施の全体像をより高度に把握するため、共通の分析指標をより精緻に設定し、班ごとの実証分析作業をより統合的に進める。第2に、分野横断的な論点を抽出して担当者を配置し、実証から理論へ、という方向性を強力に推進する。第3に、対外的な中間成果の発表の機会(口頭発表・論文の刊行)を明確に設定し、ひとまずそれに照準を合わせて、研究会を作業の「ペースメーカー」として活用する。第4に、第二段階の実証分析については、本研究が学際的研究であり研究方法論につき工夫が必要であることから、第一段階の作業の途上で、その進め方等についてより具体的に検討を進める。
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