研究課題/領域番号 |
22243018
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
浅野 豊美 中京大学, 国際教養学部, 教授 (60308244)
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研究分担者 |
木宮 正史 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (30221922)
李 鍾元 立教大学, 法学部, 教授 (20210809)
太田 修 同志社大学, グローバルスタディーズ研究科, 教授 (00351304)
吉澤 文寿 新潟国際情報大学, 情報文化学部, 准教授 (30440457)
西野 純也 慶應義塾大学, 法学部, 講師 (10453531)
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キーワード | 東アジア地域 / 日韓関係 / 日朝関係 / 朝鮮半島問題 / 地域主義 / 米中関係 / アジアの冷戦 / 脱植民地化 |
研究概要 |
戦後史を各国史の寄せ集めではなく東アジアの地域史として把握し論じるための枠組みを、実証研究を踏まえいかに構築するのか。この問題を提起すべく、現代的な課題としての東アジア共同体形成を念頭に置いて、東京大学現代韓国研究センター(姜尚中所長:司会)及び韓国現代日本学会(崔恩鳳梨花女子大学教授:祝辞)と、本プロジェクトとの共催という形の公開シンポジウムを開いた。研究者やマスコミ関係者等を集め、広く一般にも問題提起を行ったことは、合宿に勝って各分担者の意識を深め、研究協力者の裾野を広げるのに貢献した。一般の関心も極めて高く、2010年度が1910年の日韓併合から100年目で韓国文化財返還も脚光をあびたためか、100名以上の参加者があった。他にも、小規模シンジウムを台湾・中国問題が朝鮮半島とどのように関係したのかという論点で立教大学において開催し、また、日本国際政治学会においても、今までの個別具体的事例研究を土台にした同種の問題提起を行った。新たな実証研究に向けた資料収集も、データベースの活用と海外調査によって積極的に敢行した。米国においてはハーバード大学燕京図書館・ワシントンの国立公文書館・レーガン大統領図書館等、韓国においては韓国国会図書館・外交通商部・外交史料館等を訪れ、70年代の朝鮮半島情勢・米韓関係・東アジア地域構想に関する米国側認識・市民社会からの抵抗や民主化の動きを調査した。また、研究分担者のみの研究会を、3度にわたり開催し互いの問題意識を交換しながら、各自が関心を持つ個別具体的事例相互の関係と、ゆるやかな共通枠組みの検討も行った。今後、通常の国際関係論では区別されるところの、国内レベルと国際レベルをまたぐ事例を中心にした実証研究によって、地域を跨ぐ市民社会ネットワークと、冷戦下の各政府間外交との相互作用を主要論点とする方向で研究を進めていく予定である。
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