研究課題/領域番号 |
22243018
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
浅野 豊美 中京大学, 国際教養学部, 教授 (60308244)
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研究分担者 |
木宮 正史 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (30221922)
李 鍾元 立教大学, 法学部, 教授 (20210809)
太田 修 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (00351304)
吉澤 文寿 新潟国際情報大学, 情報文化学部, 教授 (30440457)
西野 純也 慶應義塾大学, 法学部, 准教授 (10453531)
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キーワード | 東アジア地域 / 日韓関係 / 日朝関係 / 朝鮮半島問題 / 地域主義 / 米中関係 / 冷戦 / 脱植民地化 |
研究概要 |
1970年代にかけての戦後史を各国史の寄せ集めではなく東アジアという地域史として把握し論じること、そのための枠組みを、実証研究を踏まえて構築していくことがプロジェクトの中心である。 第二年目は、そうした趣旨の参考になる研究者を招聘した研究会の開催、お互いの今までの研究報告を相互に報告しお互いの問題意識を交換し合うための内部的な研究会の開催、それに各自の新たな問題意識をもとにした各種の学会報告と、それに対応する各種の調査が活発に展開された。 国内においては、国立国会図書館、学習院大学東洋文化研究所友邦文庫、神戸市立中央図書館青丘文庫、外務省外交史料館において、1950-70年代にいたる在日朝鮮人、日韓関係、日朝関係資料を中心に調査・収集・公開請求を行った。特に外交史料館で関係資料の公開は近年めざましく進んでおり、必要な手続きを行って新規公開資料の複写を進めた。また、在日朝鮮人関係では、篠崎平治『在日朝鮮人運動』、田中武雄『朝鮮問題について』、日本赤十字社『在日朝鮮人の生活の実態』、『警察時報』、『衆望』、『警察学論集』、『朝鮮研究』、『民主朝鮮』などを収集した。米国においては、ワシントンの国立公文書館において経済協力機関や、国務省経済関係資料を収集し、韓国においては韓国国会図書館・外交通商部・外交史料館等において、70年代の朝鮮半島情勢、米韓関係、東アジア地域構想に関する外交史料、市民社会の側からの抵抗や民主化の動きを伝える新聞・雑誌を調査した。また、韓国政府によって1950-70年代にかけて展開された東アジアの非共産圏外交(台湾・南ベトナムを中心に)に関する文書や、70年代という早期に展開された中ソに向けた共産圏外交と非同盟諸国外交に関する調査を行い、米国と一枚岩とは見なすことが出来ない韓国独自の外交政策の展開が裏付けられるようになり、米中関係の正常化を契機に進んだ南北関係をより立体的に浮かび上がらせることができるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たな資料の発掘も進み、1970年代の朝鮮半島を中心とする国際秩序の激動を、市民運動の展開も交えて研究しようという大きな枠組みについても、大きなコンセンサスが生まれた。東アジアの地域史という枠組みの必要性を共有するカウンターパートとして、韓国の高麗大学アジア問題研究所のプロジェクトチームが見つかり、ともに積極的な問題意識の交換をするようになった。
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今後の研究の推進方策 |
韓国の高麗大学のアジア問題研究所との連携を深め、今年度共同で研究会の開催を予定している。また、最終年度には、シンポジウムを合同で企画し、研究成果の社会的還元の場とすることも内諾されている。また、その前に各自ができるだけ各種の学会等に参加し、各自の研究成果をレビューすることとしたい。
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