研究課題/領域番号 |
22243023
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
石川 城太 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80240761)
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研究分担者 |
阿部 顕三 大阪大学, 経済学研究科, 教授 (00175902)
木村 福成 慶応義塾大学, 経済学部, 教授 (90265918)
清田 耕造 横浜国立大学, 国際社会科研究科, 准教授 (10306863)
古澤 泰治 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80272095)
趙 来勲 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70261394)
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キーワード | グローバリゼーション / 国際貿易 / 直接投資 / リスク |
研究概要 |
1、国際金融市場に関わるリスク (ミクロ的側面)金融市場の不完全性が国際貿易・投資に与える影響を理論的に考察した。金融市場が不完全な状態で、資本市場を開放すると、各国の産業構造は劇的に変化することがわかった。資本市場の開放により資本は南から北へ流れるが、その量が多い場合は、南がそれによって資本不足に陥るだけでなく、北において生産性の低い企業も生まれ、平均生産性が低下することが理論的に示された。 (マクロ的側面)1975年から2006年までの過去30年間について、雇用、貿易、産業連関表のデータベースを作成した。また、これと並行して企業レベルのデータを整備し、景気循環と生産性の関係について分析を行った。 2、グローバルな環境問題 2国モデルを用いて、生産活動から発生する汚染の除去に貢献する財(環境財)の購入に対する補助金や排出税が資源配分や経済厚生にどのような影響を与えるかを分析し、これらの2つの政策は環境財を生産する産業の比較優位に、逆の影響を与えることが示された。また、排出税が汚染量や経済厚生に与える影響は、財の特化パターンに依存することも示された。さらに、他にも理論モデルを構築することで、排出規制や環境財への補助金が反って環境を悪化させる可能性を指摘した。 3、国際的な生産ネットワークの構築・運用に伴うリスク 平時あるいは(アジア通貨危機や世界金融危機などの)有事にかかわらず、国際的生産ネットワークの下での国際取引は、それ以外の国際取引と比較して、より高い安定性・頑健性を示すことがわかってきた。また、東アジアの経済統合への努力は、このような新しい国際分業体制に対応した21世紀型地域主義を志向していることも明確になってきた。
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