研究課題/領域番号 |
22243023
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
石川 城太 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (80240761)
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研究分担者 |
阿部 顕三 大阪大学, 大学院経済学研究科, 教授 (00175902)
木村 福成 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (90265918)
清田 耕造 慶應義塾大学, 産業研究所, 教授 (10306863)
古澤 泰治 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (80272095)
趙 来勲 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70261394)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | グローバリゼーション / 国際貿易 / 直接投資 / リスク |
研究概要 |
1、国際金融市場に関わるリスク:貿易構造や資本移動と金融システムとの関係に関する理論的成果を論文にまとめ、それらの結果がどれだけ現実の経験や実証結果と整合的か、また理論モデルをどの程度現実的なものに変更する必要があるかについて検討を行った。 2、グローバルな環境問題:(1)国際輸送から汚染が発生するような2国寡占競争モデルを構築し、貿易自由化や環境政策が資源配分や経済厚生に及ぼす影響を理論的に分析した。汚染による損失が大きい場合、もし環境政策が行われていなければ両国の関税引き下げは両国の経済厚生を引き下げる可能性があること、貿易の自由化が十分に進展していれば協調的な環境政策の導入が両国の経済厚生を引き上げることなどを明らかにした。(2)環境政策の及ぼす国際貿易や企業立地への影響、技術トランスファーと国際貿易との関係を分析した。特に、寡占における貿易理論や新経済地理学理論をベースに実際の政策を考慮し、また実証研究とのつながりに配慮しつつ理論モデルを構築した。 3、国際的な生産ネットワークの構築・運用に伴うリスク:(1)世界金融危機が国際的生産ネットワークに与えた影響、国際的生産ネットワークの安定性・頑健性について、貿易データをさらに精緻に用いて、安定性・頑健性を確認した。特に、ショック以前にどのくらい取引が継続していたかが取引継続確率に強く効いてくることがわかった。機械産業における国際的生産ネットワークがどの程度の地理的広がりを見せているのかについて、特に東アジアと中東欧との間の機械部品・中間財貿易に焦点を当てつつ分析した。(2)グローバルな経済リスクの高まりや新興国の急速な経済成長に伴う日本の産業構造の変化を分析し、1980年から2005年までの間、日本は一貫して熟練労働集約的な財を純輸出していることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
連携研究者を含む全員の2013年度の研究成果は、学会報告18回、査読付き英語論文の刊行16本、編著書の刊行1冊だった。研究は、研究実施計画にほぼ沿った形で進展している。 グローバル経済におけるリスクに関するイシューを様々な理論モデルを用いて考察したことが、イシューに対する理解度を深め今後の分析方向を決めるのに大きく貢献した。
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今後の研究の推進方策 |
更なる理論モデルを構築することをめざし、考察をより深める。 産業レベルのデータを利用した分析では、今後企業レベルのデータを用いてより精緻な分析を試みる。 研究成果の早期刊行を目指すために内外の研究者と積極的に議論をしてコメントを得るともに、そのコメントを活かす形で論文などの改訂を行う。
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