研究課題/領域番号 |
22243028
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
橘木 俊詔 同志社大学, 経済学部, 教授 (70112000)
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研究分担者 |
井堀 利宏 東京大学, 経済学研究科, 教授 (40145652)
小塩 隆士 一橋大学, 経済研究所, 教授 (50268132)
依田 高典 京都大学, 経済学研究科, 教授 (60278794)
玄田 有史 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (90245366)
太田 聰一 慶応義塾大学, 経済学部, 教授 (60262838)
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キーワード | 幸福感分析 / コミュニティ機能 / 格差社会 / 社会保障 / 文化 / パーソナリティ / 就業状況 / 教育 |
研究概要 |
政府財政が深刻になるにつれ、安心ある心豊かな社会を構築する、格差是正政策および社会保障政策の策定が求められている。 本研究では、従来の社会保障政策が国民の幸福感を効果的に高めてきたのか検討し、その要因である、雇用システム、家族間の関係、結婚、社会保障制度、財政制度、教育システム、文化的環境、地域社会の相互扶助機能、コミュニケーションの機会とどのように結びついているのか分析を行い、社会保障政策並びに格差是正政策について政策提言を行う。本分析のために、幸福感分析の実証研究を基礎として、人々の心理的要因を明示的にモデル化し、調査票の設計を行ってきた。 平成23年度は、幸福感分析を政策提言に具体的に結びつけるための研究を進めた。(1)平成22年度に行った幸福感分析に基づいた理論分析を基に、社会保障改革および格差是正に関する政策についての検討、(2)政策選択に関するアンケート調査と心理的特性と幸福感との関連性を明らかにするためのアンケート調査の実施、(3)格差社会是正政策提言に向けて、教育、夫婦のマッチング、就業意欲とストレス・生活満足度の関係について詳細な調査を行った。また、平成22年度に実施した調査を基礎とし韓国・中国において国際比較調査を実施した。 平成24年度は、幸福感分析の結果を用いた社会保障改革の一つとして、公的介護制度と高齢者医療制度に関する改革提唱の検討等を行う。さらに、フランス・アメリカでの幸福感分析に関する国際比較調査を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
幸福感分析に関して、既存研究では考慮されていなかったパーソナリティ要因および幸福感を構成する要因に関する詳細な分析を行い、重要な結果を導き出している。このような結果を基に、経済主体の行動に関するミクロ的な基礎付けをより本質的なレベルで考察することが可能となっている。
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今後の研究の推進方策 |
行動経済学の知見等を十分に反映させながら、幸福感と経済主体の行動との関連づけを行っていく必要があると考えている。このためには、経済主体の行動を心理的側面まで考慮に入れた形でより精緻にモデル化していく必要があると判断している。また、実証面での分析では、韓国、中国、米国、フランスの4カ国に関して、国際比較を行い、幸福感を形成する要因の差異について分析を進める。
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