研究課題
基盤研究(A)
本研究の目的は、RFIDを使って収集した小売店の店内顧客動線データを用いて、顧客の店内移動行為と購買行為の因果関係を明らかにする消費者行動モデルを構築し、店舗実験によってその有用性を検証することである。本研究では従来の購買履歴データと顧客動線データを統合することによって、どのような経路をたどり、どの売場にどれくらい時間を費やした顧客が何を購入したのかについて定量的に把握し、店内の移動と購買行動の関係を明らかにするものである。本研究で我々は実際の店舗で実験を行い、得られた知見の有用性を検証するが、初年度に当たる本年度は収集済みの顧客動線データを用いて、23年度以降の店舗実験のために次の項目を中心に研究を進めた。1. ストリームデータ対応のシステム整備・開発:データ処理、データ管理は既存設備を利用するが、今回新たに利用する顧客販売データベースとストリームデータは巨大なため、MUSASHIを改良し、対応システムを整備した。2. EBONSAIの開発・改良:ゲノム解析で開発された文字列解析技術を訪問エリアパターンの時系列解析に利用するため、矢田(2008)をベースにEBONSAIをさらに改良し、ストリームデータのような多次元のデータにも対応可能なシステムを実装する。3. 実験データの解析:コロンビア大学との共同チームで解析を行い、さまざまな仮説の検証を行った。国際会議において招待セッション"Data Mining and Service Science for Innovation"を開催、すでに共同研究では基本モデルとなる消費者行動モデルを構築し、予備実験で得られたデータを用い、幾つかの仮説の理論的含意を中心とした検証を行った。
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オペレーションズ・リサーチ
巻: Vol.56, No.2 ページ: 98-103
Proceedings of KES 2010, Knowledge-Based and Intelligent Information and Engineering Systems, Lecture Notes In Artificial Intelligence
巻: LNAI6278 ページ: 244-253