研究課題/領域番号 |
22243036
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長谷川 公一 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00164814)
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研究分担者 |
平尾 桂子 上智大学, 大学院・地球環境学研究科, 教授 (70158335)
町村 敬志 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (00173774)
野田 浩資 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (60250255)
喜多川 進 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 講師 (00313784)
品田 知美 東京工業大学, 世界文明センター, フェロー (00573049)
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キーワード | 気候変動 / 温暖化政策 / ネットワーク分析 / 市民社会 / メディア分析 / メディア・フレーム分析 / 言説ネットワーク分析 / 温暖化懐疑論 |
研究概要 |
温暖化問題をめぐるa)中央政府レベルでの政策決定過程、b)これに対して影響力を及ぼす組織・機関・個人など、キープレイヤーの特定、c)彼らの言明内容の特定化をはかる。d)地方政府レベルとしては京都府をとりあげ、定性的なアプローチによって、京都府レベルでの政策決定過程に影響力を及ぼす組織・機関・個人などの特定、彼らの言明内容の特定化をはかることを目的に2年度の研究をすすめた。e)また、日本では近年「温暖化懐疑論」は、主要紙には掲載されにくいものの、雑誌記事や書籍として刊行され、一定の売り上げをおさめている。雑誌メディア・書籍での温暖化問題の取り上げられ方の変遷を検討し、温暖化懐疑論について、アメリカと対比しながら、日本的特質を考察した。このa)からc)、e)の課題に関して、1997年から2010年までの朝日新聞・読売新聞・日経新聞記事を対象に、「温暖化(global warming)」もしくは「気候変動(climate change)」のいずれかを含む記事数をダウンロードし、主要3紙の温暖化問題に関する記事データベースを作成し、新聞記事の分析と補完的な雑誌記事・書籍などの分析を行った。具体的には、SPSSを用いて、記事を6カテゴリーに分類し、Media Frame Analysisを行うととともに、DNA(Discourse Network Analyser)というコンピュータ・ソフトを用いて、温暖化問題に関して、どのような主体がどのような争点について、肯定的もしくは否定的な言明(statement)をなしているのか、言説ネットワーク分析を行った。これらをふまえて年度後半からは、キープレイヤーに対する半構造的な聴取調査を予備的に実施した。他の国々のデータとの比較により、また時系列的な比較により、日本の温暖化政策と政策決定過程の特質を解明しつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力者の池田和弘(上智大学)、佐藤圭一・辰巳智行(一橋大学大学院生)の成長が著しく、海外の学会での英語発表にも積極的に取り組んでおり、国際比較も順調に進展しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
本研究後半の第2ステージに本格的に移行する。具体的には、各国にほぼ共通する質問票にもとづいて準構造的な聴取調査を本格的に実施する。 対象団体数は121団体であり、前年度までのメディア分析の結果をふまえて選定し、民間企業については、原則として上位2社づつとする(会社四季報による)。選定にあたっては、環境省OBの研究者、共同通信社の環境問題担当の記者から助言を得ている。具体的には、関連の政府機関、関連の審議会、関連の研究機関、学術支援団体、政府系銀行、主要な地方自治体(東京都・大阪府・京都府・京都市)、政党、マスメディア(新聞3社、NHK)、銀行・証券・保険、総合商社、電力・エネルギー、運輸、重工業、電機、住宅、コンビニエンス・ストア、シンクタンク、経済団体、環境NGO、その他のNGOなどである。
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