研究課題
2013年度は、省庁・政府系研究機関・業界団体・民間シンクタンク・NGO・自治体・政党・マスメディア・企業など125団体の気候変動問題担当者に質問紙を用いて面接、72団体から回答を得た(回収率57.6%)。日本国内の主要な関係団体は、気候変動問題の重大性など基本的な問題の所在については認識を共有している。しかし経済産業省・経済団体・業界団体などのように、自主的な削減の取り組みを評価し、大きな削減目標に消極的で、京都議定書を相対的に低く評価するグループと、環境省・地方自治体・環境NGOなどのように、法的な削減を求め、大きな削減目標に積極的で、京都議定書を高く評価するグループとに2極化している。国内において有効な温暖化政策に関しては、省庁・経済団体・業界団体等は自主的な削減目標を重視し、地方自治体・政党等は、セクター毎の法的な排出削減を重視している。90年比25%削減の目標が過大とするグループは自主的な削減目標を重視し、90年比25%削減を肯定するグループは法的な規制を支持する傾向にある。温暖化対策の効果的促進を妨げている要因として多く指摘されたのは、「政治のリーダーシップの乏しさ」(59.8%)、「メディア報道の偏り」(50.0%)、「消費者が消費行動を変えたがらないこと」(50.0%)である。省庁は省庁間の密なネットワークと持つとともに、国際機関・海外の政府からも多くの政策助言を受けている。経済団体・業界団体は、省庁と個別企業から意見を集約して、省庁と企業の結節点となっている。NGOは、経済団体・企業との結びつきが弱く、環境NGOの政策提言は、政策ネットワークの中で活かされていない。政策ネットワークのこのような2極化と政策形成過程における環境省・地方自治体・環境NGOなどの影響力の相対的な弱さが、国際的に見た場合の、日本の気候変動政策の消極性の政治社会学的要因と考えられる。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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