研究課題/領域番号 |
22243039
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
落合 恵美子 京都大学, 文学研究科, 教授 (90194571)
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研究分担者 |
伊藤 公雄 京都大学, 文学研究科, 教授 (00159865)
岩井 八郎 京都大学, 教育学研究科, 教授 (80184852)
押川 文子 京都大学, 地域研究総合情報センター, 教授 (30280605)
太郎丸 博 京都大学, 文学研究科, 准教授 (60273570)
安里 和晃 京都大学, 文学研究科, 准教授 (00465957)
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キーワード | アジア / 家族 / 労働 / 移動 / 政策 / メディア / レジーム / 家族主義 |
研究概要 |
家族、労働、移動、政策、メディアという5つの研究領域を設け、各領域が海外研究協力者と国際共同研究を実施し、その成果を総合するというかたちで運営している。 (1)家族領域では、EASS2006の東アジア家族調査の2次分析と、ベトナム調査結果の比較分析、インドの実査を行った。分析結果はハノイのワークショップで発表し、海外研究協力者と議論した。家父長制のタイプの違いなどが明らかになった。 (2)労働領域では台湾と韓国の研究協力者とデータを分析し、京都大学のワークショップで研究成果を相互に検討した。年度末までに草稿を仕上げ、失業、雇用の不安定性、階層帰属意識、性別職域分離、ライフコース、自殺と労働政策といった問題について、東アジアの特徴を国際比較により浮き彫りにした。社会階層に焦点を当てその特徴を明らかにできたことは意義がある。 (3)移動領域に関しては、アジアにおける地域統合と人権概念の構築、家事労働者や性労働者の労働者性、移民の定着プロセスにおける親密圏の構築などに焦点を当て研究を進めた。再生産労働に従事する移民は従来の労働移民と相違点があることが明らかになった。 (4)政策領域では、アジア7カ国の子どもと高齢者に対するケア供給について各国の政府統計から数量データを収集し、ケアダイアモンドを試作した。また各国の2000年代における政策的変化についてレポートを作成し、特に日本、韓国、台湾における家族主義福祉レジームの変容を厳密に比較検討した。 (5)メディア班は、日本、韓国、台湾、中国、タイなどのメディアに映し出された親密圏や家族を対象に、そこに映し出された親密圏・家族イメージの比較研究を実施した。その成果の一部は、2011年11月のソウル大学で行われた"Imagining Asia through Cultural Production and Consumption"で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
いずれの領域も研究成果が出始め、海外研究協力者との成果の検討作業に入った。アジア域内のパターンの違いが予想以上に明快に示され、アジア社会の多様性と共通性の解明が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
後半では、各領域の成果を充実させる一方、各領域における国別のパターンの違いが領域間でどのように関係しているのかを解明する総合的考察に力を入れる。研究領域の知見を持ち寄った合同研究会を連続的に開催する予定である。
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