今年度は、障害者、児童(学校)、患者の3領域別でのソーシャルワークの実践に共通する評価をもとに、全体として評価マニュアルをまとめた。 ここでは、個人や家族、組織、地域社会を対象に、まずは実施、モニタリングに整理できた。さらに、3つの領域でソーシャルワークのプログラムについて質的・量的調査を試みたが、障害者領域では、組織レベルとして11の機能・役割を明らかにした。 児童(学校)領域では、スクール・ソーシャルワーカーを対象に質的調査と量的調査を実施し、スクールソーシャルワーク・プログラムはソーシャルワークの専門性や配置形態で異なることが明らかになった。同時に、ソーシャルワーク実践がプログラムと相互に関連し合うことも明らかにすることができた。 患者領域では、退院支援に焦点を絞り、患者(家族)、病院(スタッフ)、地域を対象にして、ソーシャルワークの評価マニュアルを明確にした。同時に、医療ソーシャルワーク・プログラムの評価を院内の管理職を対象に質的研究を行ったが、医療専門職の共同者はミクロ・ソーシャルワークを、ソーシャルワーク部門管理者はメゾ・ソーシャルワークを、事務部門管理者は病院が地域で果たす役割の実施を、医療ソーシャルワーク・プログラムに求めていた。 以上の結果、3領域でのソーシャルワークのプラグラムを評価していくには、多様なセクターからの役割期待をもとに検討することの必要性が明らかになった。
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