研究課題
本研究では、日本・韓国・中国の、ジャーナリスト、看護職員、消防職員の惨事ストレスを比較検討することを目的として、一連の調査を行った。ジャーナリスト班では、中国ジャーナリスト(テレビ新聞を含む)への現地面接調査を行った。この結果に基づき、現地関係者との連絡調整を経て、平成23年3月に中国4都市の新聞社記者を対象にした質問紙調査を開始した。しかし、東日本大震災の取材などが入り、調査の延期が必要になり、平成23年度に調査データが完成した。このため、助成金の繰り越しを行った。看護職員班では、新潟中越沖地震の被災介護施設職員に対する惨事ストレスの実態調査を行った。また、救急などにおいて看護職員が日常業務で被る惨事ストレスの実態調査が実施された。消防職員班では、3種の研究を実施した。第1に、韓国で現地調査を行い、消防職員11名への面接調査を実施し、惨事ストレスに関する研修を見学し、韓国の消防職員の外傷性ストレスに関して研究者や消防関係者と情報交換を行い、調査の実施準備を進めた。第2に、国内の消防団員を対象にした惨事ストレスの実態調査を実施した。456名の有効回答に基づき、消防団員用の惨事ストレスチェクリストを開発した。第3に、日本全国の消防学校を対象にして、惨事ストレスに関する教育の現状を調査した。国際班では、国際応用心理学会でジャーナリストの惨事ストレスの研究成果を発表した。また、平成23年3月11日東日本大震災の発生にともない、岩手県災害対策本部医療班からの依頼に応じて、ジャーナリスト・自治体職員・災害ボランティアなどの惨事ストレスケアのための文書を作成し、送付するとともに、ホームページ上に公開した。
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http://www.human.tsukuba.ac.jp/~ymatsui/index.html