研究課題/領域番号 |
22243042
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松井 豊 筑波大学, 人間系, 教授 (60173788)
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研究分担者 |
安藤 清志 東洋大学, 社会学部, 教授 (50125978)
井上 果子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (10242372)
福岡 欣治 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 准教授 (80310556)
山崎 達枝 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 非常勤講師 (40576063)
三木 明子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30315569)
立脇 洋介 独立行政法人大学入試センター, 入学者選抜機構, 助教 (50511648)
高橋 尚也 立正大学, 心理学部, 講師 (10581374)
佐藤 広英 信州大学, 人文学部, 准教授 (00598691)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 惨事ストレス / 自然災害 / 東日本大震災 / ジャーナリスト / 看護師 / 消防職員 / 日韓 / 日中 |
研究概要 |
東日本大震災(以下「震災」と略記)の発生にともなって、研究計画を一部変更し、同震災の被災地職員や被災地に派遣された職員を対象にした国内の惨事ストレス調査を実施した。ジャーナリスト班は、昨年度末に震災の被災5県の地元新聞社の記者らに対する質問紙調査を行ったのに続き、5月から7月にかけて、大手新聞社ないし通信社に勤務し被災地で取材報道をした新聞記者を対象にした質問紙調査を実施した(配布270部、回収150部、有効回答率55.6%)。また、韓国におけるジャーナリスト調査の準備を行った。一昨年度の中国調査および日本での上述の調査については、国内外の学会において計7本の研究発表を行った。消防班は、梨花女子大学のAhn教授の協力を得て韓国における消防職員への惨事ストレスのweb調査結果を解析し、韓国心理学会で韓国の消防職員における惨事ストレスに関する2本のポスター発表を行った。さらに、震災被災地に派遣された消防職員への質問紙調査の結果を解析し、国際トラウマティックストレス学会、国際トラウマ及び解離性障害学会で計3本のポスター発表を行った。日韓の消防職員の精神的健康に関する比較結果を25年度の国際学会で発表できるよう計5本のポスター発表を申請し、そのうち3本が採択されている。看護班は、福島県で被災した病院に勤務する看護職員へ質問紙調査を行った。質問紙調査は、24年9月~11月に実施され、401名の回答を得た。IESRのハイリスク率は38.4%と極めて高かった。被災地看護職員のストレスケアの必要性を感じ、福島県と岩手県の看護職員を対象にして、ストレスケアを目的とした研修を行った。さらに、台湾の病院看護職員に対する調査準備に入った。国際班は海外調査の支援を行うとともに、国際学会における発表を支援した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東日本大震災の発生により、国内調査の実施を予定より大規模にする必要が生じたが、どの班でもこれに対応できた。日本・中国・韓国の調査を計画していたが、24年度までにジャーナリスト班は日中の調査を実施し、韓国調査の準備に入っている。消防班は日韓の調査を終えている(中国の消防は軍組織になっているために実施不能)。看護班は25年度に台湾で調査を実施する準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
ジャーナリスト班は、韓国調査を実施する予定である。消防班は、既に収集したデータの論文化と国際シンポジウムを開催する。可能であれば消防職員の家族のストレス調査を実施する。看護班は台湾調査を実施し、東日本大震災被災地の看護職員への啓発的なストレスケア研修を行う予定である。
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