研究課題/領域番号 |
22243044
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
北岡 明佳 立命館大学, 文学部, 教授 (70234234)
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研究分担者 |
新井 仁之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (10175953)
栗木 一郎 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (80282838)
蘆田 宏 京都大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (20293847)
村上 郁也 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (60396166)
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キーワード | 錯視 / fMRI / 錯視の数理解析 / 静止画が動いて見える錯視 / 色の錯視 / 顔の錯視 / 遠近法的錯視 / 参照枠 |
研究概要 |
本研究は、錯視を脳機能画像法的、数理解析的、実験心理学的に総合的に明らかにしていくことを目的としている。(1)脳機能画像研究(fMRIを用いた錯視に応答する脳部位を調べる研究)については、静止画が動いて見える錯視における参照枠の役割を明らかにすることを目的として、複数の視覚刺激間で運動が異なる図形に対する脳活動を調べたところ、hMT+付近に相関する部位があった。誰もが体験する運動錯視に、人類共通の神経基盤が介在している可能性が見出され、その部位のもつ認知機能への理解が深まった。(2)数理解析研究については、錯視の解析にウェーブレットを適用した。静止画が動いて見える錯視にウェーブレット解析を行い、その抽出された「錯視成分」を任意の画像に与えることによって、任意の画像を静止画が動いて見える錯視にする技術を開発し、その技術の特許を出願中である(新井,2010)。(3)実験心理学的研究については、静止画が動いて見える錯視を中心に研究を進め、形、色、空間、補完、顔などの属性の錯視も広く明らかにしていった。特に、傾き錯視の図の中に混入することが多い静止画が動いて見える錯視との関係を、four stroke motion(2つのファイ運動と2つのリバーストファイ運動)の考え方を適用することで説明するモデルを構築し、そのモデルから演繹的に「トゲトゲドリフト錯視」(仮称)という錯視量の著しく多い新規な静止画が動いて見える錯視図形(傾き錯視も同時に含む)を開発した。
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