研究課題/領域番号 |
22243047
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
山田 礼子 同志社大学, 社会学部, 教授 (90288986)
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研究分担者 |
木村 拓也 九州大学, 基幹教育院入学者選抜方法開発部, 准教授 (40452304)
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キーワード | カレッジ・インパクト / 学生調査 / 国際比較 / JFS(新入生調査) / JCSS(大学生調査) / データベース / IR / 国際ラウンドテーブル会議 |
研究概要 |
1.2010年に引き続き大学生調査と新入生調査、関連した短期大学生調査の分析と実施を行っている。今年度は、日本版新入生調査(JFS2011)を120大学、10913人の学生対象に実施した。内容については現在分析中。また、2009年度、2010年度に実施した新入生調査、大学生調査については、学会で発表し、論文および単著として発表した。 2.今年度は昨年に引き続きデータベース班の作業として(1)JCSS2005、2007、2009、JFS2008、2009の調査票の異同をエクセルでまとめた。(2)年度ごとに選択肢数の異なっている質問項目についてのデータ整理方法の決定 (3)年度ごとに質問項目番号が異なっているものについてのデータ整理方法の決定(4)JCIRPの全データに対して同一コードとなるようなコードブックの作成方針の決定 (5)データベースニーズ調査における質問紙の基本設計の決定を行った。これらの作業を行うため、2月初旬に長崎大学においてデータベース班の作業合宿を行った。(5)試作データベースを作成し、画面上での統計分析用システムも試作した。 3.2011年2月に実施した第一回国際ラウンドテーブルでの発表論文を発表論文集としてまとめ、発行した。論文集は125頁からなり論文集タイトルは、『Quality Assurance for Higher Education and Assessment』 である。 4.国際班としては、2012年2月に第二回国際ラウンドテーブルを同志社大学で実施した。海外から著名な研究者6名を招待講演者として招聘した。および科研メンバー2名(山田礼子、舘昭)がそれぞれ、本研究課題に関する研究発表を行った。また、日本高等教育学会の会長、事務局長、前国際委員長の3名も参加し、発表した。2012年度中には論文集として発刊する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学生調査については当初の計画通りに順調に進展している。学会発表、論文発表および著書発刊等は当初の計画以上に進展している。一方、国際ラウンドテーブルは当初は研究会という小規模のものを予定していたが、大規模な国際会議を2010年度および2011年度の2年間にわたって2度開催することができ、日本高等教育学会との共催という形式も実現することができた。その意味では、国際面を見ると当初の計画以上に進展している。 データベース研究に関連しては、平成23年度にオンライン上でニーズ調査を実施する予定であった。しかしながら、項目整理をIRT(項目反応理論)により分析した結果、協議すべき点が生じた。そうした結果を詳細に分析した結果、新たな知見が生じたため、ウェブ上でのオンラインニーズ調査の実施を翌年度に延長することにした。延長した結果、そうした新たな項目整理により得られた知見を反映し、オンライン上でのニーズ調査を完成し、平成24年10月にオンライン上でのニーズ調査を実施した。紙ベースでのニーズ調査も同時並行で実施した結果、順調に回答を得ることができ、現在、データベース構築班により、分析を行っている。その結果は平成25年9月に開催される初年次教育学会で発表する予定となっている。また、ニーズ調査結果により、本課題研究の大きな柱であるデータベース構築への要望を把握することができ、その結果、参加大学への使い勝手やニーズを反映することが可能な、使い勝手の良いデータ―ベースを構築することが可能となっている。平成24年度中におおよそのデータベースを構築できたことにより、平成25年度の微修正に向けての得がたい結果を本ニーズ調査から得ることが可能となった。学生調査および国際面では、当初の計画通りおよび以上に進展しているが、ニーズ調査を平成24年度に繰り越したことから、おおむね順調に進展していると自己評価する。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、データベースに関連した研究は、最終完成を目指している。平成24年度までにデータベースのおおよそを完成し、試作品を研究班内で試用している。しかし、上述したように、ニーズ調査結果を反映して、本年度は修正しながら、より使い勝手の良いデータベースに完成することが目的である。この点においては、保年度データベース構築班を中心に、学会発表、そして論文投稿をしながら、完成度の高い、データベースを構築する予定である。 学生調査については、大学生調査(JCSS)を予定通り実施する。なお、韓国との共同研究、日本版大学制調査を韓国語に翻訳してもらい、韓国の大学生を対象に実施することを、ヨンセイ大学の李准教授と協議しながら進めている。 第三回国際ラウンドテーブルを2013年2月に開催する予定で、進めている。海外からの招聘者は、アメリカ、イギリス、台湾、韓国の4名の研究者であり、日本からは4名が発表する。第二回国際ラウンドテーブルの論文集は2013年1月に「Quality in Higher Education」157頁で発行する。 学会発表は、2012年5月のAIR(アメリカ)で、本科研メンバーから3名(山田、相原、森)が発表、2012年9月の日本教育社会学会では、本科研メンバーから3名(山田、吉田、杉谷)がそれぞれ、短期大学生調査2011(JJCSS2011)、大学生調査2010(JCSS2010)を分析し、発表する。論文は、海外ジャーナルに研究代表者が現在投稿中。
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