研究概要 |
本研究の平成25年度の成果としては、24年に実施したKCSS(韓国版大学性調査)(参加者数約6000人)、日韓のデータを結合させて分析することができた。これにより、韓国では学生の自主的な学内外での活動が学習成果に結びつき、日本では教員の学生への関わりが学習成果に影響を与えているというカレッジ・インパクトの差異が知見として得られた(Rhee, 2013, AIR&Yamada, 2013, KEDI国際セミナー)。平成25年9月にはUCLA, HERIデータの供与を受け、日米韓のデータを結合させる3地点での国際比較分析が可能となり、本成果は11月に米国で開かれたASHE(全米高等教育学会)においてUCLAハタード教授、イ教授と研究代表者(論文共同執筆)が共同発表をおこなった。日本国内では、平成25年10月の時点で、延べ866大学・短大から約14万人がJFS、JCSSとJJCSSに参加するなど、標準的調査として浸透した。25年12月には、上海市の4年制大学を中心に中国版CSSの実施へと進展し日本発の標準的調査のアジアでの展開への基盤が形成されつつある。DB構築については24年の試作DBに平成16~24年まで集積された過去すべての調査票の異同を整理、調整したうえで、全データから成るDB構築を完成し、オンライン画面上での統計分析用システムを制作した。平成25年度末までに、このDBをパスワードが個別に付与された参加大学が利用することで、ベンチマークとして利用することが可能となった。国際会議については、25年に3回目の国際ラウンドテーブルを主催した。テーマは、「グローバル化社会における高等教育の質と教育を通じての学生の成長」に置き、本研究に関する学生の認知的・情緒的な成果の測定と大学教育の関係性について海外研究者とともに本質的な議論を行い、発表論文については英文論文集として発刊した。
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