| 研究分担者 |
向井 茂 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (80115641)
中島 啓 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00201666)
並河 良典 京都大学, 理学研究科, 教授 (80228080)
吉川 謙一 京都大学, 理学研究科, 教授 (20242810)
望月 拓郎 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (10315971)
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| 研究概要 |
それぞれの研究群I～VIの研究実績を要約する.
I群:Enriques曲面のホモロジー的に鏡映な対合の研究の続きとして,ルート不変量にE7型格子をもつEnriques曲面の定義方程式を調べた.その結果、モジュラー不変量を用いて標準的楕円fibrationの定義方程式を書き下せることがわかった.
II群:如何なる双有理変換を施しても,Zariski分解のできない算術的因子を発見した.また,Pseudo-effectiveな算術的R-因子に対して,それより,小さなR-主因子を見つける問題は,Dirichletの単数定理の拡張である.この問題を定式化し,基本予想の形にした.
III群:量子アファイン展開環のテンソル積の構造について,代数的なアプローチと幾何学的なアプローチ両方を研究した.さらに,昨年度に引き続きクラスター代数と次数付き箙多様体の上の偏屈層の関係を,特異台の立場から研究した.
IV群:複素単純リー環のSlodowy sliceが多くの場合,普遍ポアソン変形を与えることを証明した.さらに普遍ポアソン変形を与えないケースをすべて分類した.Darboux型の定理をC^*作用をもったシンプレクティック特異点に対して一般化した.
V群:対称領域で助変数付けられた三次元Calabi-Yau多様体の解析的捩率がモジュライ空間上の保型形式のノルムで与えられる事を示した.Borcherds Φ-関数の代数的表示を得た.
VI群:良い有理型平坦バンドルと,そのストークス構造に関する理論を整備した.「各点における形式的完備化が良いドリーニュ・マルグランジュ格子を持つ」,という仮定から大域的な良いドリーニュ・マルグランジュ格子の存在を導いた.
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