研究課題/領域番号 |
22244007
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
舟木 直久 東京大学, 数理科学研究科, 教授 (60112174)
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研究分担者 |
長田 博文 九州大学, 数理学研究院, 教授 (20177207)
乙部 厳己 信州大学, 理学部, 准教授 (30334882)
俣野 博 東京大学, 数理科学研究科, 教授 (40126165)
樋口 保成 神戸大学, 理学研究科, 教授 (60112075)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 確率論 / 解析学 / 統計力学 / 数理物理 / 関数方程式論 / 応用数学 |
研究実績の概要 |
大規模相互作用系とは、巨視的に観測される様々な現象を微視的レベルから解析し理解するために導入される数理モデルの総称である。対象とする系は、一般に莫大な量の自由度を有する。以下、本年度の研究実績からいくつか具体的に述べる。本研究は、研究代表者と研究分担者らの協力の下に進められたが、研究実績は研究者ごとに述べる。 代表者の舟木は、ランダムな界面揺動を記述する KPZ 方程式の Cole-Hopf 解の不変測度について調べた。また、多成分がカップルした KPZ 方程式への拡張を行った。舟木はさらに、弱いピンニングの効果を持つ Gauss 的ランダム場のスケール極限に関する研究を行った。対応する大偏差原理の速度汎関数の最小点が一意的ならば、スケール変換されたランダム場に対して大数の法則が成立し、一意的な最小点が極限になる。一方、最小点が複数個ある場合には、極限の特定は非自明である。しかし、そのような場合についてもスケール極限として現れる最小点を決定した。水中の泡の運動を記述する Rayleigh-Plesset方程式の確率摂動についても考察した。 分担者の俣野は、2次元のKPP方程式における波面の広がり速度を最大化する係数を決定する問題について考察した。また、非線形Stefan問題の解の正則性と漸近挙動を論じた。 分担者の長田は、Ginibre点過程について、Palm分解およびrestore密度公式という、空間のrigidityを示す結果を得た。またこれらを用いて、対応する無限次元確率力学のrigidityを証明した。 分担者の乙部は、白色安定雑音を伴う放物型の確率偏微分方程式に対して、その解の存在および一意性と、解の正則性についての研究を行い、特に安定分布に従うバナッハ空間上の独立確率変数の和についての収束の条件を得た。分担者の樋口は昨年発表した論文の証明の簡素化に成功した。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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