研究課題
地上で最良のサブミリ波からテラヘルツ波長域における観測環境と期待される、南極大陸内陸部のドームふじに、サブミリ波カメラを搭載した望遠鏡を設置して、銀河系の星間ダストの姿を描くことを目標とする研究を進めてきた。南極では、電力は自家発電であり、燃料の輸送の困難さから電力の制約が厳しい。電波カメラは極低温まで冷却する必要があるが、小さい消費電力で駆動できる冷却受信機の開発が技術的な鍵の一つである。南極用に1.5kWという低消費電力の冷却受信機を開発し、超伝導素子を、3Kの極低温に冷却し、世界的なレベルの雑音温度を達成することを実証した。電波カメラの南極での運用時には、3Kステージをベース温度として、さらに低温の1Kレベルを作り出す。電波カメラとしてMKIDを検出素子としたカメラの動作確認を実験室において、入力の結合光学素子まで含めて成功した。南極への輸送は、南極観測船しらせで、昭和基地に運び、南極大陸の拠点S16からドームふじに向けて雪上車牽引された橇による輸送が基本となる。経路の途上ののみずほ基地付近の雪面が悪路であることが知られている。望遠鏡システムは精密機器であるので振動に弱い。輸送時の振動に対して、個別部品を対振の特別仕様にするよりも、輸送箱に減衰機構を設ける事で対処することとした。南極での橇の振動実測データを基に、減衰機構の開発を進めた。ドームふじは夏でもマイナス30℃、冬期はマイナス80℃の極低温の環境にある。低温対策として、機器は、配置する空間の温度を常温付近に保つ方法を検討した。部屋は断熱壁で覆い、内部の自己発熱を利用して、0℃を実現できる目処がたった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件) 備考 (1件)
Astrophysical Journal
巻: 774 ページ: 10-16
10.1088/0004-637X/774/1/10
http://www.px.tsukuba.ac.jp/home/astro/nakai/www0/index.html