研究課題/領域番号 |
22244019
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榎本 良治 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (80183755)
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研究分担者 |
窪 秀利 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40300868)
折戸 玲子 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 助教 (80579417)
片桐 秀明 広島大学, 理学研究科, 助教 (50402764)
井岡 邦仁 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80402759)
戸谷 友則 京都大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (90321588)
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キーワード | 光電子増倍管 / プリアンプ / 高圧回路 / 大気チェレンコフ望遠鏡 / 空気シャワ / アナログメモ / 活動銀河中心核 / 宇宙ガンマ線背景放射 |
研究概要 |
CTA用光検出器の有力候補である浜松R8619MOD-100 1.5インチスーパーバイアルカリ光電子増倍管について、性能評価を進めた。量子効率、アフターパルス、線形性についてCTAの要求を満たしていることを確認した。また、Cockcroft-Walton型高圧回路の開発を進め、試作を行った。さらに光電子増倍管7本、高速プリアンプ、モニター・制御回路、読み出しエレクトロニクスからなる、光電子増倍管クラスターの開発を進めた。 大気チェレンコフ望遠鏡が空気シャワーを捉えた際に、PMTから出力される信号の幅は、短くて数ナノ秒であり、ランダムに発生する夜光バックグランドを効果的に除去するためには、PMTの波形をGHzで高速サンプリングする回路が必要となる。さらに、回路がカメラ容器内に収納されるため、低消費電力が要求される。そのため、Flash ADCではなく、多数のキャパシターをGHzで切り替えて波形記録するアナログメモリを採用することにした。初めに、スイスPSIで開発されたDRS4チップの評価ボードを用いて、性能評価を行い、CTAで要求される仕様を満たすことを示した。次に、このDRS4チップを用いた、PMT7本の波形の同時読み出し回路を、EUの研究者と共同で設計し製作した。この回路は、クラスターの直後に取り付けられ、アンプで増幅されたPMT信号が、DRS4チップにより、GHzサンプリングでマイクロ秒の深さで記録される。回路上でトリガーが生成されると、DRS4チップ内に保存された電圧がAD変換され、波形データがFPGAによりギガビットイーサネットで転送される。この回路に接続したPMTに、LED光を照射して、PMTの波形を2GHzでサンプリング記録しイーサネット転送することに成功し、読み出し回路のプロトタイプを完成させた。 組織全体の全体運営や研究会開催などに尽力した。CTAで狙うサイエンスの精密化のため、主に活動銀河中心核や、宇宙ガンマ線背景放射などに関して理論研究を進め、CTAで得られると期待される知見について研究を進めた。
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