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2011 年度 実績報告書

大規模チェレンコフ望遠鏡アレイ計画における分割鏡等の準備研究

研究課題

研究課題/領域番号 22244019
研究機関東京大学

研究代表者

榎本 良治  東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (80183755)

研究分担者 吉越 貴紀  東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (30322366)
片桐 秀明  茨城大学, 理学部, 准教授 (50402764)
窪 秀利  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40300868)
井岡 邦仁  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80402759)
折戸 玲子  徳島大学, 徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 講師 (80579417)
戸谷 友則  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90321588)
キーワード大気チェレンコフ望遠鏡 / 光電子増倍管 / HQE / 福島第一原発 / 放射能汚染 / 放射性Cs / γ線 / FPGA
研究概要

大気チェレンコフ望遠鏡に開発した光電子増倍管および付随する電子回路が福島第一原発により汚染された地域の除染に役立つ可能性がでたため急きょこれらを利用した放射線検出器を開発することにした。
この放射線検出器はコンプトン散乱を利用したコンプトンカメラで、新しい原理を利用している。134Csおよび137Csからのγ線の方向をCTスキャンの原理を応用して再構成することにより視野±30度で方向分解能3度の検出器をつくることができる。
これを残りの期間を利用して開発した。検出器を134および137Csに最適化するために無機シンチレータであるCsI(Tl)を採用することにし、光検出器としてはこれまでに開発した浜松ホトニクスの1.5インチのHQE光電子増倍管を利用する。さらにその読み出し回路にはFPGAを利用したFlashADCを使った。
この経費ではこれらの部品の一部の購入に使われており、次年度の報告にその良好な結果が示されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

CTA計画のR&Dに関しては極めてよい技術的革新がこの科研費により達成されており、その結果平成24年度からの大型科研費が認められている。
これらの技術を他に応用することは極めて重要であり、また大地震、福島原発の事故に応用できればもっともよい。これが可能であることをコンピュータシミュレーションにて示した。
原子番号50程度の検出器にて放射性Csのγ線を検出すると、最大の確率で1回のコンプトン散乱ののちに光電吸収によりγ線のエネルギーが吸収される。これに新しい原理、エネルギー束縛条件をいれることにより、従来は無理であると考えられていた無機シンチレータによる検出器でγ線の入射角3度以内の決定ができることになる。
これを実際に2カウンターのテストで実証した。
次年度の研究成果に書かれている通りにカウンターの数を増やすことにより目的の感度、角度分解能が達成されている。

今後の研究の推進方策

前述したとおりで、検出器の数を増やすことによりより感度をあげ、実際に汚染された広い地域に対応した感度を得る。
この種の検出器はすでに日立、三菱などで開発されているが、いずれも値段が数千万円程度でさらに数μSv/h以上の高い汚染区域でしか使用できない。
我々は0.1μSv/h、すなわち柏キャンパスやつくば市などでも対応できる検出器の製作に専念する。さらに検出器の価格を数100万(500万以下)に抑える工夫を行い、製品化をめざす。
これにより福島第一原発事故により汚染された全地域(0.23μSv/h以上の地域)の除染に役立つ放射線検出器を開発する。

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公開日: 2014-07-24  

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