研究課題/領域番号 |
22244021
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳田 勉 東京大学, 数物連携宇宙研究機構, 特任教授 (10125677)
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研究分担者 |
浅井 祥仁 東京大学, 理学系研究科, 准教授 (60282505)
濱口 幸一 東京大学, 理学系研究科, 准教授 (80431899)
久野 純治 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (60300670)
松本 重貴 東京大学, 数物連携宇宙研究機構, 特任准教授 (00451625)
諸井 健夫 東京大学, 理学系研究科, 教授 (60322997)
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キーワード | LHC / 初期宇宙 / 標準模型を超える素粒子物理 |
研究概要 |
諸井は、長寿命スタウが存在する場合の、LHCにおける超対称粒子生成シグナルの研究を行った。長寿命スタウが存在するとそのトラック情報が使用可能となるため、LHC実験において超対称イベントの再構成が容易となる。特に、スタウトラックの情報を用いて超対称粒子の質量スペクトルやスピン情報を得る手法を開発した。久野は超対称模型において、tanβの大きさに対して真空の安定性から制限を与えた。tanβが大きいとき、スタウの質量行列の非対角成分が大きくなり、電荷を保存している真空が不安定になってしまう。電荷が保存している真空が宇宙年齢に比べ十分に安定であることを要求し、tanβの大きさに対する制限を求めた。松本は、余剰次元模型におけるシーソー機構を考え、LHCにおける軽い右巻きニュートリノ生成シグナルの研究を行った。シーソー機構を伴う余剰次元模型では、抑制されていない湯川相互作用を持つ軽い右巻きニュートリノを用いて、微小のニュートリノ質量が説明可能であることが知られている。これらの模型は、LHCにおえる右巻きニュートリノ生成からのトリレプトンシグナルを測定することにより、検証可能であることを示した。【繰り越し分】繰り越しは、昨年の東北大震災の影響で物理学会か中止となった為行った。そのため松本は、本年度への繰り越し分を用いて、物理学会と同程度以上の質を持つ国際会議に出席し、前の科研費報告にて言及した余剰次元模型におけるコライダーシクナルについて、特に暗黒物質問題との関わりに焦点を当て講演を行った。また久野は、電弱相互作用をする安定な中性な素粒子が暗黒物質である場合に着目し、暗黒物質の直接検出の可能性を検討した。
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