研究概要 |
本研究課題は初年度でまだ準備的段階であるが,この課題に関連する23編の論文を査読付き学術誌に発表した.その主要な成果を要約すると以下の通りである 1.宇宙論への影響:Planckスケールに近いエネルギースケールでの非摂動論効果により宇宙論的モジュライ問題が解決される可能性を指摘(高橋).ゲージ結合係数のモジュライ依存性による非等方インフレーションにより超弦理論コンパクト化の情報を観測的に得る可能性を指摘(早田).QCDのゴーストモードがダークエネルギーに寄与する可能性を指摘(太田).これらはいずれもモジュライの引き起こす宇宙現象が究極理論のプローブとなることを具体的に示している 2.ブラックホール:Lovelock型高次元重力理論におけるブラックホール摂動に対するマスター方程式の導出とそれに基づくLovelockブラックホール不安定性の証明(早田).Gauss-Bonnet-Dilaton重力理論においてブラックホールの中心特異性が弱くなることを発見(太田).これらはブラックホールの構造や安定性が次元に大きく依存していることを示す 3.高エネルギー天体:最高エネルギー宇宙線を起源とするガンマー線のスペクトルがアクシオンとの混合により有意に変化することを発見(井岡,郡) 4.素粒子モデル:Variant axion modelをLHC実験により検証する可能性を指摘(高橋)
|