研究課題/領域番号 |
22244034
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
玉川 徹 独立行政法人理化学研究所, 玉川高エネルギー宇宙物理研究室, 准主任研究員 (20333312)
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研究分担者 |
中川 友進 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (50513454)
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キーワード | 宇宙線(実験) / ガス電子増幅フォイル / X線偏光計 |
研究概要 |
共同研究者である米国航空宇宙局ゴダード宇宙飛行センター(NASA/GSFC)と共に、ロケット実験に搭載するフライト用X線偏光計の製作を行った。理化学研究所においてはフライト用のガス電子増幅フォイルを製作し、目視検査、電気的特性調査をおこなった上、検査スコアの高かったものをフライト用としてNASA/GSFCに送った。NASA/GSFCではガス電子増幅フォイルをフレームにマウントし、X線偏光計に組み込む作業を行った。X線集光ミラーについては、昨年度から引き続き、マスプロダクションを継続した。また、ロケットに搭載する光学ベンチの製作をおこなった。 Geant4をベースにしたモンテカルロシミュレーションを、X線集光ミラーの特性まで含めて拡張し、カニ星雲を観測した際にどの程度のモジュレーションが得られるか、より精度良くシミュレーションをおこなった。その結果、X線偏光計の内部ガス圧を下げることにより性能改善することが示されたので、低圧でのガス電子増幅フォイル、X線偏光計の動作試験をおこない、その最適値を決定した。また、実際のX線実験データとシミュレーションを比較することにより、いくつかのパラメーター調整をおこない、シミュレーションの精度向上をはかった。また、上空におけるガンマ線バックグラウンドの除去は、品質の良いデータを得るために必須であるが、Co-60ガンマ線源を用いたデータ取得をおこない、パッシブシールド等が想定通り動作していることを確認した。ガス電子増幅フォイルの製作と動作特性について、2nd International Conference on Micro Pattern Gaseous Detectorsにおいて発表をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フライト用X線偏光計の製作、ロケットの光学ベンチ、X線集光ミラー等のハードウエアがおおむね揃い、シミュレーションツールも完備した。これでロケットへの組み込み作業を始められる状況となったので、概ね予定通りに進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
放射光施設から提供される偏光X線を利用した装置の較正試験を実施し、想定された性能が得られることを確認する。また、ロケットへの組み込みをおこない、振動衝撃試験、熱真空試験等の環境試験をおこなう。これらがうまくいけば、ロケット実験の実施を目指す。
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