研究課題
平成26年度は本研究プロジェクトの最終年度にあたり,微小領域精密解析に基づく変成作用の全時相・全反応プロセスをより精密に解析して,地殻~マントル内の物質変動プロセスを明らかにした.これまでに得られた,時間軸を精密化した変成作用の解析に関する研究成果を国内・国際学会で発表するとともに国際誌等に公表・印刷中である.26年度の進捗状況は以下の通りである.1.地殻深部~マントル物質の代表的試料として,ベトナム・紅河剪断帯,モンゴル・アルタイ山地,スリランカ・ハイランド岩体,イラン・ザグロス山脈等の変成岩類.超塩基性岩類について解析し,日高変成帯,黒瀬川帯,南部北上帯などの国内における地殻深部由来の変成岩についても精密解析を実施した.これらの高温~超高温ならびに高圧~超高圧変成岩類について,精密な岩石反応組織の解析と極微小領域の元素マッピングを行い,原岩形成年代を明らかにして変成プロセスの解析を精密化した.2.最適試料を選定して,全変成反応に関わるすべての変成鉱物の化学分析を電界放射形電子線マイクロアナライザー(FE-EPMA)等により行い,全変成反応の化学平衡を確認するために走査型蛍光X線分析装置により微小領域の岩石化学組成測定・マッピングを行った.特に高温変成条件下での部分溶融過程を精密解析するため,鉱物のREE分析を集中的に実施した.また,明らかにされてこなかった不透明鉱物の安定領域を確定するため,実験岩石学的解析を実施した.3.共焦点顕微レーザーラマン分光分析装置を使用し,部分溶融過程に関与する岩石相における極微細変成鉱物の完全相同定を実施した.また,選定された最適試料の中から,ジルコン,モナザイトについてレーザー溶融型誘導結合質量分析計(LA-ICP-MS・LA-MC-ICP-MS)およびFE-EPMAによる極微小領域年代測定を実施し,原岩形成年代および変成履歴解析を極めて高精度化した.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (15件)
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