研究課題/領域番号 |
22244066
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
塚本 勝男 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60125614)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | コンドリュール / 結晶成長 / 核形成 / コロイド / メルト成長 |
研究概要 |
高温メルトが浮遊しながら冷却され急速にコンドリュールとして結晶化する様子を初めて3次元的に“その場”観察することができた。それによると、微結晶はまずメルト球の中心部に形成され、その後、表面に移動し表面で薄皮状態を形成することが分かった。この薄皮部はコンドリュールのリム部に相当する。 これらのコンドリュール形成に関するカイネティカルな観察結果をもとに、界面不安定性でバー組織が形成されるモデルをつくり、フェーズフィールドモデルをもちいて理論的にも検証した。その結果、定性的にも定量的にも、これまでに我々の浮遊実験結果から得られた数100度/秒の高速な冷却が、リムとバーの形成には必要なことが理論的にも結論することができた。 これらの研究結果は、コンドリュールメルトはゆっくり冷えて固まったという従来の考えを覆すことになる。この結果は、微量元素がなぜ蒸発しなかったかなど、従来の多くの疑問に対しても回答を与えるであろう。 これらのコンドリュールを含む隕石中には、水質変性でできるマグネタイトコロイド結晶が含まれることがある。このコロイド結晶の成因に関してはすでに論文として発表している。本科研費では、これらのコロイド結晶の個々の粒子の詳細な磁気構造に対する解析を行って、どのような環境、どのような時間で水質変質が起きたかを解析した。この観察結果をもとにしたコロイド結晶の結晶化モデルについては、現在研究が進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
実験だけでなく理論的にも大きな発展があり、コンドリュール形成速度に関する理論と実験のギャップが埋められたことは特筆に値する。また、その後の変質に関するコロイド粒子の結晶化についても、予想以上の成果があがっている。
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今後の研究の推進方策 |
実験データの解析にとどまらず、新しい理論の創出を目指す。特に、結晶の核形成速度に関しては、無重力や浮遊実験からの結果をあわせて総合的な判断をする必要がある。
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