研究課題
本年度は、これまでに蓄積されたデータを解析することによって、(1)スラブ由来流体の量と組成の同定、(2)それらを考慮したマントルのpristine な組成推定、(3)(2)の島弧スケールでのマッピングを進めた。特に、Independent Component Analysis (ICA; 独立成分分析)を用いた方法によって解析を行い、流体成分、マントル成分の分離に成功した。この方法を、全世界の島弧に応用し、グローバルなマントルマッピング、いわばgeochemical tomographyを行うことに成功した。その結果、これまで南半球に存在すると考えられていたマントルの組成異常が、東半球全体に広がっていること、およびそれらは数億年前の超大陸に向かう集中した沈み込みによって形成された可能性があることが分かった。沈み込み帯に注目した場合、西太平洋の沈み込み帯(ニュージラーンドとケルマディックを除く)は、ほぼすべてがこの「東半球」ドメインに属する一方、カムチャッカからアリューシャンの間でシャープに組成変化が起こり、日付変更線付近でマントル組成が大きく変化することを世界で初めて明らかにした。この成果を論文として発表した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Physics and Chemistry of the Deep Earth
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Geochemical Journal
巻: 46 ページ: e39-e46