研究概要 |
本研究の目的はイオンチャネルのイオン透過機構とその選択性を分子レベルて記述する理論的方法論を構築することにある。その主な成果は以下の2点である。(1) 3D-RISM理論に基づき、カリウムチャネル (KcsA)の選択フィルター内部の水分子およびイオン(Li+, Na+, K+)の分布を解析した結果、すべてのイオンがフィルター内部に結合し得ること、その結合のモードはイオンにより大きく異なること、また、イオン選択性はこの結合モードの違いに起因することを明らかにした。(2)チャネル蛋白質の構造揺らぎを記述する新規の方程式を 3D-RISM理論と一般化ランジェヴァン理論を結合することにより導出した。
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