研究課題
近年、我々は架橋欠陥や絡み合いが殆どない理想的な網目構造の実現を可能にする新規合成法-モジュールビルディング法-を開発し、中性子散乱による精密構造解析および力学物性研究を行っている。本研究では、この高度に制御された網目構造を持つ"理想的"ポリマーネットワークを対象に、モジュールの広がりの濃度および分子量依存性の研究、平衡膨潤ゲルの膨潤度測定と力学試験、一軸延伸下での理想網目の変形の研究、不均一性の研究、変形と力学応答の計算機シミュレーションなど、ゴム弾性論や高分子物理学の本質に関わる基本的事項ついて、特に構造と物性の相関の観点から研究し、応用まで視野に入れた精密高分子網目の科学を創成することを目的とした研究を行った。平衡膨潤ゲルの膨潤度測定と力学試験 種々の分子量をもつTetraPEGゲルを合成し、その平衡膨潤挙動および力学試験から有効架橋密度を評価し、古典ゴム弾性論から見積もられる架橋密度との比較から絡み合いの程度を正確に決定し、TetraPEGゲルにおける絡み合いの有無を調査する。2種のモジュールの混合比を変化させることで弾性損失の程度の異なるゲルを調製し、動的粘弾性装置により動的弾性損失正接とゲルの調合の関係を明らかにした。一軸延伸下でのTetraPEG鎖の変形の研究SANS実験により、TetraPEGゲルは非常に不均一性の少ない弾性ブロッブのみからなっていると推測されている。そのため、延伸に際して、不均一性の発現(増大)は起こらないと考えられる。この推論を検証するために、TetraPEGゲルを一軸延伸し、延伸下でのSANS測定を行った。
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