研究課題
末端にそれぞれアミン基とN-ヒドロキシスクシンイミジル基を持つ4つの等しい長さのPEG鎖をもつ反応性モジュールを末端交差結合することにより得られる、高度に制御された網目構造を持つ“理想的”ポリマーネットワークを主たる対象とし、ゴム弾性論や高分子物理学の本質に関わる基本的事項について、特に構造と物性の相関の観点から研究を行った。研究手段には、小角中性子散乱(SANS)をはじめとし、動的光散乱(DLS)、小角X線散乱(SAXS)、力学試験、レオロジー、膨潤・収縮実験、示差熱分析(DSC)、赤外分光、など多くの構造解析、分析手段、さらには計算機シミュレーションも動員し、理想的ポリマーネットワークTetra-PEGゲルをはじめ、天然ゴムやフェノール樹脂、紐状ミセルなど、さまざまな架橋系高分子の構造と物性の関連について総合的な解明をおこなった。特にTetra-PEGハイドロゲルについては、(1)赤外分光法によるゲル化過程のキネティックス、(2)力学物性、(3)トポロジカル欠陥、(4)SANSによる一軸延伸下でのTetra-PEG鎖の変形挙動の研究、(5)加水分解の精密制御、(6)SANSによるTetra-PEGイオンゲルの構造研究、(7)膨潤・収縮挙動が力学物性に及ぼす影響、(8)DLSによるゲル化過程の研究、などの研究を精力的・系統的に行った。これらの研究を通じて、理想ポリマーネットワークおよびその対照高分子系に対し、構造を分子次元で徹底的に解明するとともに、弾性率、破断強度、破断伸び、ヒステリシス挙動、膨潤度などの巨視的物理量との対応づけができ、応用まで視野に入れた精密高分子網目の科学の創成に道を拓くことができた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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