研究課題
基盤研究(A)
モジュールビルディング法により得られる高度に制御された網目構造を持つ"理想的"ポリマーネットワークを主たる対象とし、ゴム弾性論や高分子物理学の本質に関わる基本的事項について、特に構造と物性の相関の観点から研究を行った。研究手段には、小角中性子散乱(SANS)をはじめとし、動的光散乱(DLS)、小角X線散乱(SAXS)、力学試験、レオロジー、膨潤・収縮実験、示差熱分析(DSC)、赤外分光など、多くの構造解析、分析手段、さらには計算機シミュレーションも動員し、理想的ポリマーネットワークTetra-PEGゲルをはじめ、天然ゴムやフェノール樹脂、紐状ミセルなど、さまざまな架橋系高分子の構造と物性の関連について総合的な解明をおこなった。その結果、理想ポリマーネットワークおよびその対照高分子系に対し、網目構造を分子次元で徹底的に解明するとともに、弾性率、破断強度、破断伸び、ヒステリシス挙動、膨潤度などの巨視的物理量との対応づけを行った。その結果、当初の目的としていた、応用まで視野に入れた精密高分子網目の科学を創成することができた。
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http://shibayama.issp.u-tokyo.ac.jp/