研究概要 |
光触媒の組成や結晶構造を設計する第一世代,光触媒の粒径や比表面積などの構造を制御する第二世代につづく新たな第三世代の光触媒設計指針として,結晶粒子の形態制御を提案する.光触媒活性を決定づける励起電子のトラップと電子-正孔の再結合を支配するのは欠陥準位であり,大部分は表面に存在する.結晶粒子の露出格子面を規定することは,この欠陥準位を質的,量的に制御することである.本研究では,まずアナタース型酸化チタンについて,8つの台形の{101}面と2つの正方形の{001}面をもつ十面体型粒子を気相反応により効率よく合成する手法を開発し,欠陥量を正確に見積もり,光触媒活性と比較することにより結晶形態の影響を解析した.さらに,これを他の酸化チタン結晶や金属酸化物に展開し,光触媒設計の指針を確立することをめざした.
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